2005 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外線を用いた毛細血管内の非侵襲酸素交換動態画像法の開発
Project/Area Number |
16659328
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Research Institution | Hamano Life Science Research Foundation |
Principal Investigator |
加藤 俊徳 (財)濱野生命科学研究財団, 研究員 (20358815)
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Keywords | 脳 / 酸素交換 / 脳酸素交換機能(COE) / 近赤外線 / 毛細血管 |
Research Abstract |
脳の血流が計測されるようになってから110年以上も経過している。しかし、脳の血液の酸素を計測する技術がなかった。酸素の分子は、小さすぎて、非侵襲に頭皮上から直接的に出来なかったのである。しかし、酸素が毛細血管から細胞へ移動する酸素交換機能を観察する計測技術の脳酸素交換機能マッピング(COE)を確立した。この技術は、頭皮上に設置した光照射と受光素子の位置情報とその近傍の局所脳酸素交換反応のパターンから、1光機能画素を定義して量子レベルの酸素動態を計測できる点である。今回は、酸素交換波動方程式の生物物理学的解釈を深めるために、酸素交換の現場を酸素交換マイクロマシーンとして量子力学的酸素移動モデルを構築して検討した。 量子サイズのO_2は毛細血管内から神経細胞へ量子力学的酸素移動をすると仮説できる。赤血球の大きさは量子レベルではないので、赤血球の挙動は流体力学、ニュートン力学が関与すると考えられる。酸素移動は量子力学に支配されているにもかかわらず、酸素分子を運んでくる赤血球は、量子的に挙動していない。酸素移動を行っている場では、ニュートン力学から量子力学への力学的移行がスムースにおこなわれて、両者が統一されて、酸素交換機能を実行していると見なすことができる生物物理学モデルである。 細胞への酸素分子の供給数に対して、赤血球数、即ちHb量が瞬時に決められている。生体のどの部位でも、同時に酸素交換が起こり、生体が破綻しない調和がなされていると考えられる。虚数次元が酸素交換波動方程式に入ることによって、酸素移動現象と赤血球数の増減現象が酸素交換の調節機序として結びついている。量子力学的酸素移動モデルでは、19世紀からの脳血流モデルを根底から転換させ、酸素を利用する生体が物質次元生命体である半面、虚数次元生命体であることを支持する。
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