2005 Fiscal Year Annual Research Report
メニンによるエストロゲンレセプター転写調節機構の解明
Project/Area Number |
16659336
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
山内 清明 香川大学, 医学部, 客員教授 (00291427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 実 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (50322269)
村尾 孝児 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (20291982)
中川 竜介 香川大学, 医学部, 助手 (10360603)
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Keywords | メニン / 乳癌 / ホルモン療法 / エストロゲンレセプター / 転写 |
Research Abstract |
メニンは多発性内分泌腺腫症1型の責任遺伝子men1の遺伝子産物で、副腎腫瘍や副甲状腺腫瘍を構成する腺腫細胞の核内に存在する。メニンはproto-oncogeneであるJun Dや転写因子NF-kappa Bに結合し、その機能を阻害することが報告されている。一方、乳癌細胞の増殖や蛋白合成に強く関与しているエストロゲンレセプター(ER)はその転写機構が各種核内蛋白により制御されている。今回我々は、核内蛋白であるメニンが乳癌細胞におけるERの転写活性を調節する可能性を検討した。 【方法】(1)乳癌細胞におけるメニンの発現解析:摘出乳癌組織5例におけるmen1-mRNAの発現をRT-PCR法で、またエストロゲン依存性乳癌細胞株MCF-7におけるメニン蛋白の発現をwestern blot法で解析した。(2)Reporter gene assay:MCF-7にERE-lucおよびwild type(wt)-men1あるいはmutant(mu)-men1を遺伝子導入し、ルシフェラーゼ活性を測定した。(3)GST-pull down assay:GSTとER-alphaとの融合蛋白を作成し、グルタチオンが結合したレジンに^<35>S-メチオニンでラベルしたメニンを添加後10分間反応させ、レジンを洗浄後煮沸、上清をSDS-PAGEにて展開後、autoradiographyを施行した。 【結果】(1)RT-PCT法では5例の乳癌組織においてメニンmRNAの発現を認めた。またwestern blot法ではMCF-7各種亜株においてメニン蛋白の発現を認めた。(2)Reporter gene assayでは、wt-men1導入株はmu-men1導入株より3倍以上強いルシフェラーゼ活性を示した。またその活性はTamoxifenで阻害されなかった。(3)GST-pull down assayではメニンとERが物理的に結合する可能性が示唆された。 【総括】メニンはNF-kappa Bに対する機能とは逆に、ERに結合してその転写活性を促進することが示唆された。今後、メニンのエストロゲン転写活性促進機構の詳細、細胞周期との関連、men1遺伝子の変異を明らかにすると共に、乳癌ホルモン療法症例におけるメニン発現とTamoxifenの効果との関連を解析する臨床試験を準備中である。
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