2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト摘出肝からの肝progenitor cellの分離・保存と細胞移殖
Project/Area Number |
16659339
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
兼松 隆之 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40128004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蒲原 行雄 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50325643)
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Keywords | progenitor cell / 肝細胞保存 / 自律増殖細胞 |
Research Abstract |
肝細胞から肝幹細胞であるprogenitor細胞は自律増殖するため肝細胞の移植としては絶好のツールである。本年度はこの細胞を分離・保存する研究より着手した。対象となるヒト切除肝は充分な説明による同意の得られた転移性肝癌3例である。これらの肝組織片をUW (University of Wisconsin)液に浸漬保存し、2-4時間後に肝細胞分離を施行した。 分離方法)37℃加温乳酸加リンゲル液でUW液の排出と組織加温しEDTA/Collagenase法で分離した。復温操作がない場合分離細胞収量は減少し未消化部分が残ったため酵素活性が低温下で不十分であったと考えられる。実質細胞分画と非実質細胞分画に分けEGF、ビタミンC、血清を主体とする培地で培養した。 細胞形態)実質細胞分画の培養では石垣状に増殖配列していったが、培養後3-4日目よりこれら細胞の脱落部周辺に小形の各を有する細胞集団が確認された。非実質細胞分画の培養では線維芽細胞が増殖しており、これらを抑制するためDMSO1-2%を添加すると小形の核を有する小細胞の集塊が認められるようになりこの塊は増大していった。約3-4週で一部重層化傾向を認めた。培養1ヶ月で凍結保存して半年後を目安に解凍予定である。 対照とすべく分離した正常肝細胞を肝臓に放射線障害を与えたラット脾臓へ移植したところ培養で認められた小肝細胞が脾・肝内に散見され分離時に実質分画に存在したprogenitor細胞と推定された。 今後の展開)非実質分画の細胞培養後1ヶ月でのマーカーによる判別を計画している。またこの細胞を一旦はがし移植予定である。
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Research Products
(2 results)