2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト摘出肝からの肝progenitor cellの分離・保存と細胞移殖
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16659339
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
兼松 隆之 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (40128004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川下 雄丈 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (20372774)
江口 晋 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80404218)
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Keywords | progenitor cell / 末期肝疾患 / 肝移植 / 肝細胞移植 |
Research Abstract |
肝細胞から肝幹細胞であるprogenitor細胞は自律増殖するため肝細胞の移植としては絶好のツールである。本年度は、(実験1)これらの細胞が肝移植を受けた末期肝疾患の患者の摘出全肝内に存在する頻度を病態別に検討した。(実験2)また、新規移植症例で全摘肝からの肝細胞分離をおこなった。(方法)2003年12月までに当科にて行われた肝移植症例27症例を対象にprogehitor cell marker(c-kit、CD34)にて染色を行った。(結果と考察)実験1:劇症肝炎ではc-kit(2/8:25%)、CD34(2/8:25%)、胆道閉鎖症ではc-kit(1/8:14.2%)、CD34(1/7:14.2%)、原発性胆汁性肝硬変(PBC)ではc-kit(2/4:50%)、CD34(3/4:75%)、ウイルス性肝硬変ではc-kit(4/7:57.1%)、CD34(2/7:28.6%)であった。PBC症例では肝硬変症例と同等に中等度の大きさの胆管に発現が認められた。一方、劇症肝炎の中でも長期経過をとった症例ではstem cell markerの発現が高度であった。このことから比較的強い再生刺激を一定期間うける状況でstem/progenitor cellの集積が期待されると思われる。実験2:肝硬変症例から分離した非実質細胞分画からprogenitor cell様細胞が認められ、急性肝障害に比べて、慢性に進行していく硬変肝で肝前駆細胞の存在が示唆された。そのような硬変肝から分離された小型の肝細胞が増殖し、集塊を形成し、40日以上の間培養可能であった。摘出肝の分離肝細胞に対する解析により、不全肝の再生予備能力の評価、人工肝臓、肝細胞移植の細胞源となる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)