2004 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ管関連疾患攻略に向けたヒトリンパ管内皮細胞の網羅的スクリーニング
Project/Area Number |
16659342
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森川 康英 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90124958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 健 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70190197)
尾池 雄一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90312321)
藤野 明浩 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50306726)
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Keywords | リンパ管腫 / リンパ管内皮細胞 / 培養 / FACS / Podolanin / D2-40 / Prox1 / RLGS |
Research Abstract |
【リンパ管内皮細胞の培養成功】 平成16年には9名のリンパ管腫患者の新鮮手術検体よりリンパ管内皮の抽出培養を試みたが、最終的に4例より安定した純度の非常に高いリンパ管内皮を抽出し培養することに成功した。 リンパ管内皮細胞の抽出・培養に関わる手法は切除検体の小片を一定条件で培養すると約1週間で組織よりリンパ管内皮が大量にディッシュ上に増殖してくるもので、数回の継代により殆ど不純細胞が除去されていく。非常に簡易な方法が最終的に確立された。 得られたリンパ管内皮の性質は、リンパ管内皮特異的遺伝子であるProx1、LYVE1、podoplanin、VEGFR3、CCL21等をRT-PCR、ウェスタンブロッティング、免疫染色、FACS等の手法にて確認した。 今後、増殖能の検討や、発現遺伝子の網羅的検索、特異抗体作成等に関わる材料として使用していく。 【RLGS法によるリンパ管内皮細胞と血管内皮細胞の比較】 得られたリンパ管内皮のうち2株より高分子DNAを抽出。HUVEC (Human Umbilical Vascular Endothelial Cell)を対象としてNotI、PvuII、PstIを制限酵素として使用し、NotIサイトをマーキングしたリンパ管内皮細胞のRLGSによる2次元泳動プロフィールを作成した。 その結果、HUVECと比較して、リンパ管内皮のみに現れるスポット10箇所、HUVECのみに現れるスポット20箇所を同定した。 これはリンパ管内皮と血管内皮におけるepigeneticな差異を表しており、今後これらスポットのクローニングを行い、リンパ管内皮と血管内皮の違いを決定付ける因子や分化に関連する因子等の重要な遺伝子の発現に関連していないかどうか検索していく。
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