2004 Fiscal Year Annual Research Report
全く新しい癌治療法の主導権を握る有機カチオントランスポーター遺伝子の単離機能解析
Project/Area Number |
16659348
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
椎葉 健一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90196345)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 高明 東北大学, 病院・講師 (80292209)
|
Keywords | トランスポーター / 有機カチオン / アドリアマイシン |
Research Abstract |
癌細胞の抗癌剤耐性に関与する排出側transporter、MDR1やMRP1の詳細が明らかになりつつある一方、抗癌剤を取り込む側の分子機構は未だ不明な点が多い。我々は、抗癌剤Adriamycinの取り込みを担うOrganic Cation/Adriamycin Tranporter、OCA1を単離することに成功した。申請したプロジェクトでは、更なる取り込み側transporterの単離及び機能解析を目的とした。 OCA1からprimerを作成し、肝、腎等のLibraryからの、Rapid Amplification of cDNA End法による新規transporterの単離を試みた。しかし新規のtransporterは単離し得なかった。やむを得ずOCA1の機能解析を進めることとした。 数種類の白血病細胞株でOCA1 mRNAの発現がみられたため、Adriamycinに対する感受性規定にOCA1が関与しているか否かを調べた。Northern blotでOCA1の発現が認められないJurkat cell(白血病細胞株)にOCA1をtransfectし、Adriamycinに対する感受性をコントロールと比較した。その結果OCA1をtransfectしていないJurkat cellと比較して、2μMのAdriamycin(臨床において60mg/m^2のAdriamycinを投与した際の最高血中濃度に近似)に対するviabilityが有意に低下していた。次に臨床検体でのOCA1の発現を調べたところ、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病細胞において、OCA1高発現白血病細胞株HL-60と比較して平均で2倍のmRNAの発現が認められた。今後、Adriamycinを使用した症例の治療成績とOCA1の発現の相関を調べる予定である。
|