2005 Fiscal Year Annual Research Report
全く新しい癌治療法の主導権を握る有機カチオントランスポーター遺伝子の単離機能解析
Project/Area Number |
16659348
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 高明 東北大学, 病院, 講師 (80292209)
|
Keywords | トランスポーター / 有機カチオン / アドリアマイシン |
Research Abstract |
癌細胞の抗癌剤耐性に関与する、排出側transporterの詳細が明らかになりつつある一方、抗癌剤の取り込みに寄与する側の分子機構は、未だ不明の点が多い。我々は、抗癌剤Adriamycinの取り込みを担うOrganic Cation/Adriamycin Transpoter, OCA1を単離することに成功した。本研究では、更なる取り込み側transporterの単離および機能解析を目的とした。 OCA1からprimerを作製し、肝・腎などのLibraryからのRapid Amplification of cDNA End法による新規transporterの単離を試みたが、新規のtransporterは単離し得なかった。そのため、OCA1の機能解析を進めることとした。Adriamycinに対する感受性規定にOCA1が関与しているか否かを検討した。Northern blotでOCA1の発現が認められないJurkat cell(白血病細胞株)にOCA1をtransfectし、Adryamicinに対する感受性をコントロールと比較した。その結果、OCA1を遺伝子導入していないJurkat cellと比較して、2μMのAdryamicinに対するviabilityが有意に低下していた。次に臨床検体でのOCA1の発現を調べたところ、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病細胞において、OCA1高発現白血病細胞株HL-60と比較して平均2倍のmRNAの発現が認められた。また、60種類の癌細胞株におけるOCA1の発現強度をrealtime RT-PCRでしらべたところ大腸癌や膵癌細胞で高い発現が認められた。さらにこれらの細胞のOCA1発現と各種抗癌剤に対する感受性を比較し相関する薬剤を同定することができた。
|