2004 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌に対するヒストンのアセチル化制御による癌治療の試み
Project/Area Number |
16659351
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松原 久裕 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (20282486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦島 哲郎 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (80375625)
落合 武徳 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80114255)
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Keywords | 食道癌 / ヒストンアセチル化 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
ピストン脱アセチル化酵素阻害剤により細胞周期がG1期からS期への移行を中心に制御され細胞周期を停止し細胞死を誘導することが報告されている。本研究においては新たな化合物を用いてヒト食道癌培養細胞株に対してヒストンアの脱アセチル化酵素を阻害することにより癌細胞増殖抑制効果を中心にヒストンのアセチル化制御が新たな食道癌に対する分子標的治療となりうることを明らかにする。これまで6種の新たなヒストンア脱アセチル化酵素を阻害する化合物(吉田稔博士より供与)についてin vitroにおけるヒト食道癌培養細胞への抗腫瘍効果および細胞周期への影響について検討した。いずれの薬剤についてもngのオーダーにて抗腫瘍効果を認めた。アポトーシスが誘導されることも確認した。現在このうちもっとも抗腫瘍効果の強かった薬剤についてさらなる解析を進め、p53遺伝子との関連についても実験を進める予定である。 この薬剤についてはin vivoでの抗腫瘍効果についてヒト食道癌細胞ヌードマウス皮下移植モデルにおいて確認した。また、細胞周期の検討ではこれまで報告の多いG1期からS期への制御よりG2期からM期への制御が主体であった。現在この細胞周期制御に関連する分子の同定を行っている。 また、既存のピストン脱アセチル化酵素阻害剤であるFK226がヒト食道癌細胞にも抗腫瘍効果を示すことを確認し、アポトーシスが誘導されることを確認した。このとき誘導される癌抑制遺伝子の1つを見いだしており、現在投稿中である。新たな化合物についても食道癌細胞に添加した際にこの遺伝子発現が誘導されるかについても検討を加えている。
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