2004 Fiscal Year Annual Research Report
HVJエンベロープ法による脊髄保護因子の蛋白導入を応用した新しい脊髄保護法の開発
Project/Area Number |
16659371
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高野 弘志 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70346196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 裕治 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80229898)
澤 芳樹 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (00243220)
福嶌 教偉 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30263247)
市川 肇 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60303939)
松宮 護郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20314312)
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Keywords | 虚血性脊髄障害 / 遺伝子導入 / HVJ-E |
Research Abstract |
1 実験動物による脊髄虚血モデルの作成 Japanese white rabbit(2.5Kg-3.0Kg)を用いて脊髄虚血モデルを作成した。大腿動脈より4Fr Fogarty catherterを挿入し、腎動脈下でinflationし脊髄虚血にした。15分虚血後reperfusionし、一週間後犠牲死するまで神経学的評価を毎日行い、犠牲死させたあと組織学的評価を行なった。また各蛋白の発現をみるために別にreperfusion後、8hr,24hr,48hr後に犠牲死させた。 A)神経学的評価 下肢運動評価は肉眼的所見としてJohnson scoreを用いて(0から5点、正常が5点)行った。虚血後2日目の平均scoreは4.4±1.2(n=5)でほぼ正常下肢運動能を保ったが、7日目には2.2±1.3(n=5)であり、遅発性下肢運動麻痺を示した。 B)組織学的評価 H-E染色にて虚血2日目の生存motor neuron数はsham control群(19.0±1.0),脊髄虚血群(18.0±2.3)と変化はないものの術後7日目には、sham群に比べ60%のmotor neuronが選択的に減少(7.8±3.1:p<0.0001)。15分虚血後motor neuronは2日間生存するが、それ以降選択的に細胞死した。またTUNEL染色にても2日目までにTUNEL陽性細胞を認め、細胞死にapoptosisの関与が示唆された。また免疫染色により虚血後8時間目にstress induce proteinであるHeat shock proteinが発現されていた。また免疫染色によりangiogenic factorであるVEGFの発現は虚血後8時間に認められた。またWestern blotting法にて同様に両蛋白の発現が認められた。 2 non-viral vector HVJ-Eを用いた遺伝子脊髄導入実験 luciferase遺伝子、Venus遺伝子をそれぞれHVJ-Eに封入し実験動物への脊髄へ導入する。導入後luciferase活性を検討し導入効率を定量化し、またVenus遺伝子を導入し組織学的に脊髄の導入される局在を検討した。まずバルーンを腎動脈直下で閉塞させたあと、もう一つのバルーンを大動脈分岐部に位置させて、このバルーン先端よりluciferase遺伝子、Venus遺伝子をそれぞれ封入したHVJ-Eを注入し、腰動脈より脊髄へ経動脈的にtransfectionを行った。しかし摘出脊髄からはluciferase活性は認められず、また病理学的にもVenusの発現は認めなかった。経動脈的に脊髄へのHVJ-Eを用いた遺伝子導入は困難であり、今後脊髄への直接穿刺による遺伝子導入を行う予定である。
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