2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖因子徐放性生体吸収材料による肺胞再生の基礎研究
Project/Area Number |
16659373
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
山本 恭通 国立大学法人香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50314927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横見瀬 裕保 国立大学法人香川大学, 医学部, 教授 (80231728)
岡本 卓 国立大学法人香川大学, 医学部附属病院, 講師 (20314932)
田畑 泰彦 国立大学法人京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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Keywords | 肺胞再生 / 肺気腫 / 治療 / basic FGF / 薬剤徐放 / ゼラチンマイクロスフェアー / 肺動脈内投与 / 肺動脈塞栓術 |
Research Abstract |
本研究の目的はエラスターゼ気管支内投与により誘導されたイヌ肺気腫モデルの肺動脈内にbasic FGF徐放ゼラチン(FGF MS)を注入し、肺毛細血管を塞栓し徐放される、FGFの作用によりあらたに毛細血管・肺胞再生を誘導する。これにより肺毛細血管床面積を増大させ肺胞気との接触面積を増大させガス交換を改善することである。 本年度の成果としては (1)エラスターゼの気管支内投与により肺気腫が誘導され導入率は約80%に改善。 (2)200〜400μm径ゼラチンマイクロスフェアーを作成しin vitroでFGFの徐放を確認。 (3)イヌ肺気腫モデル肺動脈内FGF MS投与法を確立。 (4)肺動脈内FGF MS投与によりFGF MSが胸膜付近の細肺動脈内に陥頓しFGFを周囲組織へ徐放することを確認。 (5)拡張した肺胞をもつ肺気腫モデルへ肺動脈内FGF MS投与後1ヶ月以降にFGF MS陥頓細肺動脈周囲に正常肺胞径の小さな肺胞集塊がみられた。 (6)肺胞の再生を伺わせる分子生物学的・免疫学的反応はみられない。 結論としてイヌ肺気腫モデル肺動脈内FGF MS投与によりFGF MSが細肺動脈内に陥頓し周囲に正常径肺胞を形成したがこれがただちに肺胞の組織学的再生を意味するものではない。肺胞再生を証明することは再生後の時点ではきわめて困難であり今後、拡張した肺胞を持つ肺気腫モデル肺とFGF MSによる治療を施した群で肺機能的に改善がみられたことを証明する予定である。
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