2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳動脈瘤に対する局所的遺伝子治療法の開発-実験的検討-
Project/Area Number |
16659377
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大熊 洋揮 弘前大学, 医学部, 教授 (40211099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 研一郎 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (90312496)
吉川 朋成 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (10374836)
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Keywords | 脳動脈瘤 / fibroblast growth factor / Platelet derived growth factor |
Research Abstract |
脳動脈瘤の遺伝子治療という観点から最終的にはウサギ脳動脈瘤発生モデルを用い、脳動脈瘤作製処置後6ヶ月後に脳動脈瘤の発生を確認できた動物に関し種々遺伝子の導入を行い動脈瘤の縮小化が得られるかを検討することが目的である. 本年度はその基礎的検討としてBasic fibroblast growth factor, platelet derived growth factor遺伝子をハイドロゲル・ポリマーに包含させ,これを手術用顕微鏡下で内頚動脈等の脳動脈に塗布し,その動脈壁への導入の有無・効率を無処置ウサギを用い検討した。無処置正常ウサギに対し上述の技術により内頚動脈に遺伝子導入を図り、3,6ヶ月後に脳動脈を摘出し、mRNAレベルをreverse transcription-polymerase chain reaction(RT-PCR)で定量的に分析し、蛋白質レベルを免疫染色法で定性的に分析した。 3ヶ月後の変化としては,mRNAレベルはBasic fibroblast growth factor, platelet derived growth factorともに有意な発現が見られ,免疫染色法による蛋白質レベルの検討でも両蛋白の血管壁における染色性の増強が主に中膜外層〜外膜に観察された.内膜〜内膜下には染色性は認められなかった. しかし,6ヶ月後の変化としては,mRNAレベルに関しては両遺伝子ともに導入による発現の増大はみられるものの有意なものではなかった.また,免疫染色法による蛋白質レベルの検討でも両因子の染色性は淡く遺伝子導入効率の低下していることが示唆された. この知見をもとに脳動脈瘤作製後遺伝子の導入を行い,主に3ヶ月後を指標に,動脈瘤の縮小化が得られるかを検討していく予定である.
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