2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノテク・フラーレンによるリポ化DNAのアセンブルの変化
Project/Area Number |
16659385
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水野 正明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70283439)
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Keywords | ナノテクノロジー / フラーレン / リポソーム / プラスミドDNA / 細胞 |
Research Abstract |
本研究では、再生医療、細胞医療、遺伝子医療等の先端医療を支える重要な技術のうち、外来遺伝子による細胞修飾技術の効率化を検討している。効率化を進めるための手段として、まずはナノテクノロジー産物であるフラーレンとDNAの複合体形成能を調べた。その結果、1mMフラーレンに対し、10-20μgプラスミドDNAを添加することで、安定してDNAがトラップされることがわかった。また、この複合体のままで培養細胞(ヒト由来細胞を含む)に添加しても遺伝子発現が認められた。しかしながら、その効率はきわめて低く、ヒト由来細胞の場合0.1%以下であった。一方、先の割合で複合化したフラーレンとプラスミドDNA10-20μgを、リポソーム脂質1μmolに混合することで効率よくリポソーム内に包埋されることがわかった。このDNAフラーレン包埋リポソームは、DNAフラーレン単独の添加に比べ、ヒト由来細胞においても格段に遺伝子発現効率を高めた。一方、細胞への導入を主に司るリポソームを、R18蛍光色素で標識し、プラスミドDNAをnick translation法を用いてFITCで蛍光標識した後に包埋・調製したDNAフラーレン包埋リポソームを用いて、細胞内動態を観察した。観察には共焦点レーザー顕微鏡及びビデオ強化型微分干渉顕微鏡を使った。その結果、DNAフラーレン包埋リポソームは細胞分裂期には染色体の動きに連動して移動する傾向が観察できた。また、非分裂細胞では核膜近傍の細胞質内に集族しているのが観察できた。
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