2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノテク・フラーレンによるリポ化DNAのアセンブルの変化
Project/Area Number |
16659385
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水野 正明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70283439)
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Keywords | ナノテクノロジー / フラーレン / リポソーム / プラスミドDNA / 細胞 |
Research Abstract |
本研究では、再生医療、細胞医療、遺伝子医療等の先端医療を支える重要な技術のうち、外来遺伝子による細胞修飾技術の効率化を検討している。効率化を進めるための手段として、まずはナノテクノロジー産物であるフラーレンとDNAの複合体形成能を調べた。昨年度は、フラーレンとDNAの複合体形成能のうち、フラーレンとDNAの複合体形成の最適条件を検討し、1mMフラーレンに対し、10-20μgプラスミドDNAを添加することで、安定してDNAがトラップされることを示した。今年度は、この条件化での遺伝子発現の詳細を調べてみた。はじめに、フラーレンとDNAの複合体をリボソームに包埋したベクターを培養細胞に添加し、外来遺伝子の発現状況を、発現の強度及び発現時間を軸に調べた。その結果、DNAフラーレン包埋リポソームは細胞分裂期には染色体の動きに連動して移動し、核内にとどまり、遺伝子発現に繋がっていることがわかった。そして、その発現強度は、フラーレンとDNAの複合体を形成することで、より強くなり、かつ発現時間も有意に延長することが証明できた。一方、非分裂細胞では核膜近傍の細胞質内に集族していたDNAフラーレン包埋リポソームのうち、わずかなものからフリーのDNAが放出され、これが遺伝子発現に結びつくことが観察された。以上の結果は、ナノテクノロジー産物であるフラーレンとDNAの複合体形成により、外来遺伝子を効率よく、核内に移行させると同時に、外来遺伝子発現を長期化できることがわかった。これは、今後の遺伝子治療において大いに役立つ所見と考えられた。
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