2005 Fiscal Year Annual Research Report
心肺停止・蘇生後脳症におけるアポトーシス検出画像の開発
Project/Area Number |
16659393
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
寶金 清博 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90229146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柳 泉 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40250435)
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90285007)
三上 毅 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30372816)
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Keywords | Cardiopulmonary arrest / apoptosis / magnetic resonance image / magnetic resonance spectroscopy |
Research Abstract |
本研究では、心肺停止後の蘇生脳に起こる脳の変化を画像でとられ、その病理所見との比較を行うことで、予後診断へ役立てることを主目的としている。そこで、まず、高度脳虚血-再灌流モデルにおける、実験用高磁場MRIの検討を行った。また、臨床例における、心肺停止後の蘇生脳の画像、代謝を検討した。さらに、ラット心肺停止モデルにおいて、実験用高磁場MRIと早期病理診断(アポトーシス検出)との比較解析を行った。 1.実験高度脳虚血-再灌流モデルのMRI ラットの心肺停止後の蘇生後脳の状態をsimulationするモデルとして、ラットの中大脳動脈閉塞・再灌流モデルを用いて、高磁場(7テスラー)のMRI装置を用いて、画像撮像を行った。その結果、再灌流後、fractional anisotrophy image(FA画像)において、再灌流脳において異方性が早期に失われ、その後、そのanisotrophyを失った範囲において、梗塞の出現と慢性期において萎縮が進行することが示された。また、この部位において、magnetic resonance spectroscopy(MRS)を行うと、乳酸の出現とさらに正常状態では見られないlipidの出現が見られた。 2.人における蘇生後脳症のMRI・MRS 心肺停止後の蘇生後脳症で、予後不良例、良好例における、拡散強調画像、MRSの差異を検討した結果、予後良好例では、実験と同様に、anisotrophyが保持され、嫌気性代謝のマーカーである乳酸の出現が認められなかった。これに対して、予後不良例では、早期から異方性が喪失し、乳酸が出現することが示された。 3.ラット心肺停止モデルにおける実験用高磁場MRIと早期病理診断(アポトーシス検出)との比較解析 ラットを用いて、心肺を完全停止(9分間)後、蘇生させるモデルを作成した。同モデルでは、発症早期において実験用高磁場MRI上、異常信号を捕らえることが出でき、また、早期病理診断では神経細胞がアポトーシスに陥っていることを確認している。以上より、心肺停止後の蘇生脳に起こる脳の病態生理的変化と、発症早期のMRI画像所見が相関することを突き止め、予後診断とともに、早期治療の効果判定に有用となると思われた。
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Research Products
(4 results)