2004 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症で誘導される軟骨特異的遺伝子CILPのプロモーター解析
Project/Area Number |
16659399
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 敏之 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員 (80322759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 雄一 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30345053)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40282660)
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
松原 全宏 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40361498)
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Keywords | CILP / SOX5 / SOX6 |
Research Abstract |
軟骨形成のマスター分子であるSOX5,SOX6,SOX9を各種培養細胞に強制発現させ、CILPのmRNAレベルをreal time PCRにて検討した。CILPはSOX9の強制発現系では全く誘導されなかったが、SOX5またはSOX6の強制発現系では遺伝子導入後48時間以内にすみやかに誘導された。この反応は軟骨細胞、未分化間葉系細胞、ヒト癌細胞株にて共通であった。 抗CILPポリクロナール抗体をN末端側とC末端側の2箇所のエピトープに対応する合成ペプチドを用いて作成した。in situ hybridyzationによる検討では十分なシグナルを得られなかったため、Real Time PCRにてCILP mRNAの組織ごとの発現パターンをヒト、マウスで検討した。その結果軟骨組織の他、肝臓、筋肉、眼球、顎下腺などSOX5またはSOX6の発現レベルの比較的高い組織において、中等度の発現を示すことが確認された。 CILPプロモーターに対するルシフェラーゼ・レポーターアッセイの結果、CILPの転写開始点から上流1kbの配列はSOX5,SOX6の強制発現に対し強い反応を示した。このプロモーター配列に対し欠失、置換変異体を作成することでとくに転写開始点から80-100塩基上流の配列が重要であることを見出しgroup D SOX related enhancer 1(DSOXRE1)と命名した。同配列を用いたElectrophoretic Mobility Shift AssayでDSOXRE1に特異的に結合する核蛋白の存在が示唆されたが、SOX5またはSOX6に対する直接の結合は検出できず、配列内に明らかなSOX結合モチーフは存在しなかった。またDSOXRE1内に既知の転写因子結合配列モチーフは同定できず、同配列に結合しSOX5,SOX6と協調して働く新規転写因子の存在が予測された。
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