2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659406
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 直樹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20212871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 佳弘 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (50332698)
成瀬 恵治 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40252233)
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Keywords | 軟骨細胞 / SOX9 / Type II collagen / aggrecan / バイオリアクター |
Research Abstract |
現在軟骨細胞移植が関節軟骨欠損の新規治療として注目されている。しかし、自己ドナー組織の不足が問題である。これを解決する手段として軟骨細胞を培養増殖させる事が従来考えられていた。単純な単層培養での増殖は軟骨細胞の形質喪失を招き、軟骨細胞を得ることは困難であった。軟骨細胞移植治療に供するため、軟骨細胞の形質を保ち短期間に培養増殖させる事ができる装置(バイオリアクター)の開発を目的とした。 (1)ウサギ軟骨細胞を大腿骨、頸骨より採取し、SOX9遺伝子発現を指標に単層培養にて細胞増殖能を検討した。増殖した細胞を再びアガロースゲルを使用した3次元培養法にて培養、細胞増殖と基質合成能、SOX9遺伝子発現を調べた。SOX9,Type II collagen, Aggrecan遺伝子の発現をRT-PCRにて定量的に確認した。これら軟骨形質に関わる遺伝子は培養早期から低下を示した。これらSOX9遺伝子発現低下細胞にSOX9遺伝子を強制発現させるモデルを現在試行している。 (2)機械的刺激下培養条件での軟骨細胞培養 ウサギ軟骨培養細胞に機械的伸張刺激を加える装置を使用して実験をしている。適切な刺激下では軟骨細胞増殖能は高まる傾向を示した。現在SOX9 mRNAの発現を指標に細胞の形質の管理を検討している。 本研究は培養条件の工夫と機械的刺激によって増殖活性を高めつつ、軟骨細胞形質の維持が可能な方法の開発を目的とする。軟骨細胞単層培養の増殖・形質保存限界が明らかとなり、この形質喪失はSOX9遺伝子導入という手段では回復不可能であった(投稿準備中)。
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