2004 Fiscal Year Annual Research Report
「自家リンパ球-磁気ビーズ」複合体及び磁性体リポソームを用いた癌治療に関する研究
Project/Area Number |
16659409
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
越智 光夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70177244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 裕司 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40253075)
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Keywords | 癌治療 / NK細胞 / 磁性体 / 外磁場 / セルデリバリーシステム |
Research Abstract |
研究計画調書に従い、以下の研究を行い、研究成果を国内外の学会で発表している。 1.「ヒトNK細胞-磁気ビーズ」複合体及び磁性体リポソームを用いた癌ターゲティング治療〜in vitro実験 Natural Killer (NK)細胞は、健常者の末梢血からリンパ球分離液を用いて単核球を分離した。磁気細胞分離システムMACSを用いて、CD3 depletion CD56 positive selectionを行い、「ヒトNK細胞-磁気ビーズ」複合体を作成した。(当初Ferri Sphere 100Cを用いて作成を試みたが、困難であったため、市販キットを用いて作成した。)分離精度は、フローサイトメーター(FACS Aria)にて解析した。次に、plateのwell中央部に予めネオジウム磁石を設置した状態で、複合体を播種し、中央部とその周囲部での複合体の分布を検討した。さらに、培養したヒト腫瘍細胞株(K562,Hu09N2,MG-63,Saos-2)に対する、この複合体の細胞傷害性を測定した。中央部と周囲部での腫瘍細胞の変化を顕微鏡下に観察した。以上の検討を、磁石非設置群と比較した。MACSを用いて末梢血から分離されたNK細胞の分離精度は90%以上であった。磁石を設置した群では、複合体が周囲部に比べ中央部に有意に集積しており、顕微鏡下には、腫瘍細胞が中央でアポトーシスを起こしていることを認めた。磁石非設置群では、細胞の集積及びアポトーシスの有無に中央部と周囲部で差はなかった。複合体は外磁場によって局所に集積可能で、腫瘍細胞に対しアポトーシスを誘導できることが示唆された。よって、本複合体は磁気ターゲティング療法として有用であることが示唆された。研究成果は、第19回日本整形外科学会基礎学術集会及び51st Orthopaedic Research Societyにて発表した。
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