2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノテクノロジーを用いた新しい放射線治療の基礎的研究
Project/Area Number |
16659412
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
松下 廉 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30347413)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 隆信 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10185316)
中西 真 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40217774)
北 重公 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (60006153)
|
Keywords | TE型X線源 / FE型X線源 / ミニチュアX線源 / 放射線治療 / アポトーシス / 3SB細胞 |
Research Abstract |
本研究は従来のX線源(Thermionic emission type)とミニチュアX線源のもととなるField-emission typeとを用いX線を腫瘍細胞に照射し、照射後の腫瘍細胞の反応を分子生物学的に解析、比較検討しミニチュアX線源を使った新しい放射線治療(生体腔内照射など)の開発の意義を確立することを目的とする。 当初、従来使われているX線照射装置(TE型)とミニチュアX線源(FE型)を使って培養腫瘍細胞の照射後の変化を調べる予定であったが、解析の都合上,ある程度の大きさのX線源(もちろんFE型ではある)を使用する事になった。装置も実験に必要な照射野が確保出来るように改造した。 また、初めに骨肉腫細胞でTE型X線管を使って実験を開始したが骨肉腫自体もともとX線抵抗性であり、最初の実験としては不向きと思われた。その他の癌細胞をいくつか試してみたがアポトーシスを導くには高線量を要した。現段階ではFE型X線管はせいぜい50kvくらいの電圧でたとえば5Gy程度の低用量の照射にとどめており,ひとまずX線感受性が高い腫瘍細胞を使用することにした。最終的に放医研から3SB細胞というマウスの胸線由来のリンパ腫の細胞を分譲して頂き、これで照射実験を開始したところである。 TUNEL染色による解析ではアポトーシスの定量は困難であるがTE型、FE型のいずれのX線管でもX線照射によってアポトーシスが誘導されて細胞が死に至る。1Gyくらいではあまり死なないが2-3Gyくらいからアポトーシスははっきりしてくる。今のところは両者に違いはみられていない。 今後はフローサイトメトリーによる細胞周期の解析、ウエスタンブロッティングにて蛋白の発現状況の解析を行っていく予定である。
|