2005 Fiscal Year Annual Research Report
難治性末梢血管障害に対する新しい治療法の開拓 -アクチビンを用いた血管新生療法-
Project/Area Number |
16659418
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
後藤 文夫 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00092015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
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Keywords | activin A / FGF2 / VEGF / Smad / angiogenesis |
Research Abstract |
アクチビンは,in vitroでbovine aortic endothelial cell(BAEC)のtube formationを促進する。アクチビンをBAECに作用させると,VEGF, FGF2,Flt1,Flk1,FGFR1のmRNA,蛋白が誘導されること,またVEGF, FGF2によってアクチビンおよびアクチビン受容体のmRNA,蛋白が誘導されることから,アクチビンによるtube formation促進効果が,VEGF, FGF2といった既知の血管新生促進因子との相互作用によってもたらされることがわかった。また,ELISA法を用いて培養液中のFGF2濃度を測定したところ,アクチビンによって血清群に比して有意にFGF2濃度が上昇していることが証明された。形態学的にもVEGF, FGF2やアクチビン単独によりtube formation促進効果よりも,これらのサイトカイン共存下の方がより効果的であることが証明された。一方,アクチビンの受容体後のシグナルに関しては,Smad7の過剰発現によってtube formationが抑制されたことから,従来のアクチビンのシグナル伝達経路が血管新生においても強く関与することが示唆された。しかしアクチビンによってMAPKのリン酸化が起こることとMAPK inhibitorの添加でアクチビンによるtube formationが抑制されることからSmad independentなシグナル伝達経路の関与も考えられる。アクチビンによる血管新生はアクチビン単独の作用よりむしろVEGF, FGF2と相乗効果を生み出す効果が臨床的には有望であると考えられた。
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