2005 Fiscal Year Annual Research Report
In Vivoパッチクランプ法を用いたカプサイシン皮膚塗布の作用に関する研究
Project/Area Number |
16659419
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
冨田 美佐緒 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60221438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 洋 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00262436)
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Keywords | カプサイシン / 神経因性疼痛 / ホールセルパッチ / 脊髄スライス / 成熟ラット / in vivo patch / 後根刺激 / 皮膚刺激 |
Research Abstract |
平成17年度はin vivo patch clamp法を用いて正常動物とカプサイシン塗布モデル動物の比較を行った。カプサイシン塗布モデル動物はラットの後足に0.075%カプサイシンを1日4回、毎日塗布することによって作成した。カプサイシン塗布開始1週間後および4週間後のラットと正常ラットの腰部脊髄後角第2層細胞からウレタン麻酔下にパッチクランプ記録を行い、膜電位を-70mVに固定して細胞の自発性興奮性シナプス後電流(EPSC)とカプサイシン塗布した部分の後枝皮膚刺激(触刺激および痛み刺激)によって誘発される反応(EPSC)を観察した。 自発性EPSCおよび下肢触刺激、痛み刺激で誘発されるEPSCの発生頻度・平均振幅は塗布開始1週間後ラットでは正常ラットと4週間後ラットに比べて有意に増加していた。一方、塗布開始4週間後のラットでは自発性EPSCの発生頻度・平均振幅は正常ラットと比べて有意な変化はなかったが、痛み刺激で誘発される発生頻度・平均振幅が減少していた。 以上の結果から、カプサイシン塗布開始後、少なくとも1週間程度までは脊髄後角第2層細胞の興奮性は増加しているが、4週間後には逆に興奮性は低下し、特に痛み刺激に対する反応が減弱することがわかった。これら現象がカプサイシンの鎮痛作用に関与している可能性がある。
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