2004 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス阻害による難治性神経因性疼痛の治療法の開発
Project/Area Number |
16659422
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 哲文 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (40362975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 正尚 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (20158380)
溝渕 知司 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70311800)
森田 潔 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40108171)
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Keywords | 難治性疼痛 / アポトーシス / 神経因性疼痛モデル / NMDA拮抗薬 / 神経栄養因子 |
Research Abstract |
研究初年度として難治性疼痛モデルの作成と脊髄レベルにおける疼痛関連物質の検出法の確立を目指した。まず、難治性疼痛モデルとしてラットにおいて脊髄神経結紮モデルを作成し、行動学的観察で神経因性疼痛の成立を確認した。ついで、分子生物学的手法として、脊髄レベルでの疼痛関連遺伝子の量的変化の測定を可能とするため、RT-PCR法を確立した。その結果として、一個の脊髄後根神経節より、各種の疼痛関連物質のmRNAが測定できるようになった。また、in situ hybridization法も技術修得し、それらの物質の局在を示すことも可能となった。特にアポトーシス関連遺伝子の発現とともに、最近難治性疼痛の発現機序に大きく関与しているとされる神経栄養因子群(NGF、BDNF、NT3)に注目し、それらの変化を検討している。 アポトーシス阻害効果あるといわれる物質の中で、本年度はまずNMDA拮抗薬を主体として、その効果を検討している。治療薬をラットのクモ膜下に持続投与するために、クモ膜下カテーテル挿入ならびに微少注入ポンプの装着にも技術的に可能となった。NMDA拮抗薬注入でアポトーシス関連物質および神経栄養因子がmRNAレベルで変化した結果をまとめるとともに、行動学的評価を継続している。 さらに研究を通じ、BDNFのサブタイプのプライマー作成に成功した。このことは、さらに詳細なレベルでのBDNFの難治性疼痛における成立機序への関与やアポトーシスへの関連が明らかとなる可能性が期待される。現在、BDNFの抗体、アンチセンスRNA、siRNAの投与を検討中である。
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