2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛時の脊髄内神経回路リモデリングにおける神経ガイダンス因子の役割
Project/Area Number |
16659425
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山田 芳嗣 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30166748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 富男 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00193110)
五嶋 良郎 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00153750)
船越 健吾 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60291572)
紙谷 義孝 横浜市立大学, 医学部附属病院, 助手 (90381491)
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Keywords | 神経因性疼痛 / 神経回路リモデリング / sprouting / 神経ガイダンス因子 |
Research Abstract |
神経因性疼痛の病態形成における脊髄内神経回路のリモデリングに神経ガイダンス因子が関与するかを検討するため、今年度は坐骨神経絞扼による慢性疼痛モデルラットの作成と疼痛閾値の評価、免疫染色を用いた脊髄内神経回路のリモデリングの検討を行った。 1.坐骨神経絞扼による慢性疼痛モデルラットの作成および疼痛閾値の評価 5〜6週齢の雄性Sprague-Downeyラットの左坐骨神経をペントバルビタール麻酔科に4-0絹糸を用いて4箇研所を弱く結紮ことにより慢性疼痛モデルラットを作成した。手術後1、3、5、7、9、12、15日後に痛覚過敏症状の指標として温熱刺激に対する逃避行動の潜時(Hargreavs法)および機械的刺激に対するアロディニアを調べた。コントロールは神経を剥離するのみの対照手術ラットを用い、非手術側である右側との潜時、閾値の比を比較した。熱刺激および機械刺激のいずれも手術3日目から潜時、閾値の低下が見られ、1週間で対照手術ラットの約1/2の閾値に達した。その後15日目にかけて特に熱刺激のほうは潜時の回復が見られたため、免疫染色には手術後1週間のものを用いることに決定した。 2.免疫染色を用いた脊髄内神経回路のリモデリングの検討 脊髄後角における知覚神経のsproutingを検討するため、CGRP(無髄神経)、Neurofilament200(有髄神経)に対する免疫染色を行った。神経に余分な障害を与えないため、当初トレーサーを用いない方法でsproutingを確認しようとしたが、有意な差が神経障害群と対照手術群との間に認められなかったため、申請書に記したようにトレーサーを用いる方法に変更し検討しているところである。神経ガイダンス因子に対する免疫組織学的検討も条件検討を行い、Neuropilin, Netrin, DCCに関しては染色可能であることを確認している。今後はsproutingを確認し、それが生じている領域での神経ガイダンス因子の染色性の違いを検討してゆく予定である。また、ラットの腰髄くも膜下腔への薬剤投与用カテーテルの留置も練習し、次年度以降の研究に対する予備的研究も行った。
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