2004 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス誘導ペプチドによる泌尿器科腫瘍治療の可能性の検討
Project/Area Number |
16659433
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
冨田 善彦 山形大学, 医学部, 教授 (90237123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 智幸 山形大学, 医学部, 講師
大地 宏 山形大学, 医学部, 助手 (30302293)
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Keywords | アポトーシス / 膀胱癌 / smac / Diablo / カスペース / XIAP |
Research Abstract |
抗がん剤の投与,放射線療法,ホルモン療法,免疫療法など種々の癌に対する治療法の効果は腫瘍細胞のアポトーシスによる腫瘍の退縮によることがほとんどである.このアポトーシス機構は共通経路が存在し,最も下流に位置するアポトーシス実行タンパク分解酵素であるカスペース-3,7の活性化が鍵を握る.これまでの研究でこのカスペース-3,7の抑制分子であるXIAPが泌尿器科癌では高発現であることを明らかにしてきた.本研究ではこのXIAPをさらに抑制するsmac/Diabloのmimicオリゴペプチドによるアポトーシス誘導と治療への応用を目的としている.1.免疫組織学的検討によるsmac/Diablo発現の検討.まず,正常腎,膀胱においてsmac/Diabloの発現を免疫組織学的に検討が可能か否か検討した.入手した抗体による染色は,さまざまな固定法,染色法によっても成功せず,免疫組織染色は困難と考えられた.現在さらに検討中である.2.イムノブロット法による発現の検討.腫瘍細胞株を用いてイムノブロット法で発現を検討したところ,最も生物学的悪性度が高いと考えられる膀胱がん細胞株T24では発現をほとんど見ない一方で乳頭腫由来のきわめて緩徐な発育を示すRT4細胞で高発現であった.T24細胞においてXIAPの発現をアンチセンスオリゴDNAにより抑制すると細胞増殖が抑制され,アドリアマイシンへの感受性が向上することも考えると,膀胱癌においてはsmac/Diabloの低発現が腫瘍細胞のアポトーシス回避について重要な役割を果たしていることが示唆され,mimicペプチドによる次の研究過程に有用と判断される.
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