2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659439
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮川 康 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70362704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻村 晃 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40294053)
田中 宏光 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (10263310)
奥山 明彦 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20093388)
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Keywords | 男性不妊症 / 精子 / アクチン / キャッピング蛋白 |
Research Abstract |
アクチンはアクチン調節蛋白により制御され、細胞形態の維持と再構成、細胞の遊走や細胞外マトリックスとの結合などの種々の細胞機能に関与する。アクチンキャッピング蛋白(CP)はすべての哺乳類細胞に存在し、また進化上、最もよく保存されたアクチン調節蛋白である。細胞内においては単量体であるG-actinが凝集してオリゴマーとなり、これを核として成長端、脱重合端の両方向に重合体F-actinが伸長される。CPはアルファ(CPα)とベータ(CPβ)の二つのsubunitからなるheterodimerを形成しF-actinの成長端に結合しその長さを動的に調節する。申請者らは、マウス精巣subtracted libraryからCPαと相同性を示す半数体精子細胞特異的遺伝子CPα3の単離に成功した。さらに、ヒト精巣cDNA libraryからヒトオルソローグ遺伝子も単離したが、アクチン結合に必要とされるC末端領域は種を越えて、よく保存されており、その機能の重要性を示していた。ヒト精巣・精子では33kDaのCPα3蛋白が精子の主に中心体が存在する頚部及び鞭毛や頭部にも確認された。この局在はヒト精子におけるアクチンのそれと一致することが二重免疫染色にて明らかとなった。次にCPα3とheterodimerを形成する候補分子をコードするヒト新規遺伝子の単離に成功した(CPβ3)。この分子は牛の精子から単離されたCPβ3のヒトオルソローグ遺伝子であり、その発現はヒトでも精巣特異的であることが明らかとなった。さらにこの蛋白が、実際に蛋白レベルでCPα3と結合することが免疫沈降法によって確認された。またCPα3のノックアウトマウス作成のためのノックアウトベクターのクローニングに成功した。
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