2005 Fiscal Year Annual Research Report
絨毛トロホブラストにおけるNECC1シグナル伝達系とその機能の解明
Project/Area Number |
16659453
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
和氣 徳夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 聖子 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (10253527)
平川 俊夫 九州大学, 大学病院, 講師 (20218770)
小林 裕明 九州大学, 大学病院, 助手 (70260700)
井上 貴史 九州大学, 大学病院, 医員 (70380417)
浅野間 和夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30380413)
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Keywords | NECC1 / ノックアウト / 巨細胞層 / 海綿層 / トロホブラスト分化 / SRF / ドミナント・ネガティブSRF |
Research Abstract |
1.正常絨毛で高発現し、絨毛癌で発現消失するNECC1遺伝子を単離した。胎盤発生への関与を明らかにするためNECC1+/+及び-/-胎盤を用いて胎盤の組織構築への関与を解析した。NECC1+/+胎盤では8.5〜10.5dpcにおいて一過性の発現を認めた。NECC1-/-胎盤では巨細胞層の過形成及び海綿状栄養膜細胞層の低形成が観察された。 2.トロホブラスト分化へのNECC1蛋白の関与を解析する目的でトロホブラスト幹細胞(TS)及びその性格を有することが示唆されているラット絨毛癌細胞RCHO-1を用いてNECC1発現による分化プログラム構築への関与について解析した。Ad-NECC1感染により巨細胞のマーカーであるp11発現は抑制され、海綿層栄養膜細胞のマーカーであるTpbp発現は亢進した。形態学的にも巨細胞の出現は抑制されていることが判明したためNECC1はTSから巨細胞への分化を負に制御し、海綿状栄養膜細胞への分化を正に調節すると示唆された。 3.NECC1発現調節機構を解析するため同遺伝子プロモータ領域の塩基配列を決定し、欠失変異体を作成した。その結果NKX3.1結合サイトが存在し、その欠失変異体ではプロモータ活性が抑制されることが明らかとなった。さらにヒト絨毛細胞におけるNKXファミリーメンバーの発現を解析したところNKX3.1発現を確認した。 4.NECC1下流シグナルを同定する目的でSRFドミナント・ネガティブ(DN)変異体をRCHO細胞に形質導入し分化プログラム構築に与える影響について解析した。SRF/DN変異体発現はAd-NECC1感染時と同様に分化刺激存在下におけるRCHO-1細胞の分化を阻害したためSRF活性を負に制御することにより絨毛細胞に分化プログラムを構築すると示唆された。
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Research Products
(7 results)