2004 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤におけるIgG輸送機構の鍵となるFc受容体のディファレンシャル解析
Project/Area Number |
16659457
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
瀧澤 俊広 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90271220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 俊行 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60188175)
石川 朋子 日本医科大学, 医学部, 助手 (70212850)
羅 善順 日本医科大学, 医学部, 助手 (60339439)
瀧澤 敬美 日本医科大学, 医学部, 助手
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Keywords | ヒト胎盤 / IgG / 発達 / IIb型Fc受容体 / 胎児型Fc受容体 / 血管内皮細胞 / CD31 / Western blot |
Research Abstract |
母親のIgGは胎盤関門(絨毛栄養膜と胎児血管内皮)を越えて胎児へ受け渡されるが、そのIgG輸送機構の詳細は不明のままである。 この萌芽研究により、我々が新たに見出した胎児血管内皮細胞中のIgG輸送体(IIb型Fc受容体-小胞)に関して、IgG輸送がどの時期にどの様に開始されるのか、胎盤発達に伴うディファレンシャル解析を行った。 インフォームド・コンセントを得て種々の妊娠週数の胎盤を採取(初期は妊娠中絶胎盤、中期は流早産胎盤、正期は予定反復帝王切開例の胎盤)。Western blot法により妊娠各週数のIgG、Fc受容体(胎児型およびIIb型)、CD31(血管内皮細胞マーカー)等の蛋白質レベルの発現を比較検討した。この研究により、1)胎盤内に存在するIgGは妊娠初期、中期、末期でほぼ同程度に認められた。2)CD31は妊娠初期でも検出され、初期胎盤における胎児血管内皮の存在を示しているが、3)IIb型Fc受容体は妊娠初期には検出されず、妊娠中期以降に強い発現を認めた。4)一方、驚くことに胎児型Fc受容体は妊娠初期より検出された。初期胎盤に胎児型Fc受容体が発現し、IgGは既に胎盤内に存在いるにもかかわらず、胎児血管内皮細胞にIIb型Fc受容体が発現していないために、IgGが胎盤を通過できない可能性が強く示唆された。 現在、発達に伴うFc受容体のmRNAレベルでの解析を行っている。また、プロテオミクス解析のために不可欠な胎盤からの胎児血管内皮細胞の分離を進めており、正期産胎盤より、磁気ビーズ法を用いて効率よく血管内皮細胞を回収することが可能となった。
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Research Products
(1 results)