2004 Fiscal Year Annual Research Report
器官培養コルチ器を用いたprestinによる蝸牛増幅機構の直接的解析-マルチクランプ法の応用-
Project/Area Number |
16659458
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
新川 秀一 弘前大学, 医学部, 教授 (90125584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
欠畑 誠治 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (90261619)
石井 賢治 弘前大学, 医学部, 助手 (90250597)
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Keywords | 器官培養コルチ器 / 外有毛細胞 / prestin / 運動能 |
Research Abstract |
目的:器官培養コルチ器を用いて、外有毛細胞(OHC)に周辺組織などの負荷がかかった状態での運動能を解析するための予備実験として運動能の発現時期の検討を行った。 背景:哺乳類のOHCは膜電位依存性に伸縮運動をするelectromotilityとelectromotilityを反映する電位依存性の膜容量変化(non-linear capacitance : NLC)を持っている。electromotilityとNLCは外有毛細胞側壁に存在するprestinとよばれる、motor proteinの構造変化によると考えられている。 方法:prestinのOHCへの発現量の発育に伴う経時的変化を調べるためにC57BL/6Jマウスより急性単離したOHCを用いてNLCを測定した。生後5日から20日までのmouseの蝸牛外有毛細胞にwhole cellパッチクランプ法を行い、そのcapacitanceの変化について検討した。解析はjClampにて、two-sine voltage stimulus protcolを用いて行った。 結果:生後7日頃よりNLCが計測され急激に増加、生後13日以降にプラトーに達した。その時のCvは約7pF、Clinは約6.5pFであった。Prestinの密度は生後7日目よりシグモイド状に増大し、生後13日目にはプラトーの7,500/μm^2以上に達した。 結論:OHCの運動能は生後7日目より出現し18日目にはadultのレベルに達することがわかった。今後生後13日目以降のコルチ器を用いて実験を行う予定である。
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