2005 Fiscal Year Annual Research Report
耳管粘膜下における脂肪細胞の分化誘導-耳管開放症の根本的治療法の開発-
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16659459
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 俊光 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80133958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 俊彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70177799)
志賀 清人 東北大学, 病院・講師 (10187338)
千葉 敏彦 東北大学, 病院・助手 (70280881)
堀井 明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40249983)
古川 徹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30282122)
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Keywords | 耳管開放症 / 脂肪細胞 / オストマン脂肪体 / 耳管 |
Research Abstract |
耳管開放症には様々な要因がある。以前からオストマン脂肪体の萎縮などが指摘されているが、我々の行った耳管MRI検査では、必ずしも、脂肪の萎縮のみでは説明困難な例も多く、むしろ、口蓋帆挙筋や口蓋帆張筋、内側翼突筋、外側翼突筋、耳管軟骨など脂肪体も含めた耳管周囲支持組織の脆弱化が示唆される。 そのため、近年、再生医療として、ES細胞や幹細胞を利用した研究、臨床応用が注目を浴びているが、単に脂肪細胞に分化する幹細胞を用いるのではなく、筋組織にも分化しうる細胞を耳管粘膜下に移植することを目標としている。今回我々は、東北大学加齢医学研究所の協力の下、cell line化したマウス骨髄由来間葉系幹細胞(TBR31-2)を用いて耳管内粘膜下移植を試みた。 in vitroでは、confluent後7日〜10日で脂肪細胞や平滑筋に分化を始め、21日後には脂肪や平滑筋の細胞集団を形成するようになった、条件を変えることで、骨格筋、骨、心筋、血管内皮細胞にも分化することが各々に特異的な染色を行うことで確認できた。また、サイトカイン(BMP2、BMP4など)を加えることにより、目標とする細胞集団への分化や細胞成長速度をよりコントロールすることも確認できた。 in vitroでは、マウス皮下に局所注入移植を行い、免疫染色により、脂肪、平滑筋などに分化することを確認した。しかし、マウス耳管への移植で成功例はない。マウス耳管へのアプローチが困難であること、移植できたものの生着観察期間生存できなかったことが一因である。 マウス耳管へのアプローチ法の改善や、免疫抑制剤を併用したモルモット耳管への移植を今後試みる。
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Research Products
(1 results)