2005 Fiscal Year Annual Research Report
小腸移植における神経ペプチドを用いたグラフト腸管特異的免疫抑制療法の開発
Project/Area Number |
16659482
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
木村 修 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (10315963)
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Keywords | 小腸移植 / 神経ペプチド / immunomodulation / 虚血再還流障害 |
Research Abstract |
小腸移植における神経ペプチドbombesinの免疫抑制効果を検証する目的にラットによる異所性小腸移植モデルを作成し、以下の点について検討した。 1.免疫抑制剤の量を従来の0.64mg/kg/dayから0.1mg/kg/dayとし、bombesin投与の有無により2つのグループに分けて急性拒絶反応の程度を組織学的に評価した。 2.虚血再還流障害がどの程度急性拒絶反応に関与するか、そしてbombesinがその障害に対してどのような作用を持つかを組織学的に評価した。 実験1の結果 bombesin非投与グループでは移植後2週間目の移植小腸グラフト粘膜は、全く絨毛が認められず高度の急性拒絶反応によりほぼ正常の粘膜構造を呈していなかったの対し、bombesin投与グループでは移植後2週間目の移植小腸グラフト粘膜はほぼ正常に維持されていた。 実験2の結果 bombesin非投与グループでは移植後2週間までの追跡で、温阻血時間を延長した場合、明らかな急性拒絶反応の悪化が認められたのに対し、bombesin投与グループでは温阻血時間を延ばしても明らかな粘膜障害は認められなかった。 以上の結果によりbombesinはそれ自体、急性拒絶反応抑制作用を持ち、極少量のFK506と併用することで移植後の急性拒絶反応のコントロールがより容易になる可能性が示唆された。 また、bombesinの虚血再還流障害抑制作用は温阻血時間が延長された場合にも術後の急性拒絶反応を軽減するのに効果的であることが判明した。
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Research Products
(1 results)