2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内シグナル伝達系遺伝子変異による新たな消化管運動障害モデルの検討
Project/Area Number |
16659483
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
中村 桂一郎 久留米大学, 医学部, 教授 (20172398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 啓介 久留米大学, 医学部, 講師 (00258401)
増本 幸二 九州大学, 付属病院, 講師 (20343329)
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Keywords | 骨髄幹細胞 / 体性幹細胞 / 造血幹細胞 / 組織幹細胞 / 組織固着型マクロファージ / 樹状細胞 / 線維芽細胞 / GFPトランスジェニックマウス |
Research Abstract |
放射線照射後の野生型新生仔マウスにGFPトランスジェニックマウス骨髄から採取した細胞を静注し、2〜3ヶ月後の全身の臓器の凍結切片標本についてGFP陽性細胞の分布と細胞形態を蛍光顕微鏡下に観察した。またマクロファージのマーカーとしてF4/80およびCD11b (Mac-1)を、樹状細胞のマーカーとしてCD11cをもちいて免疫染色した。さらにGFP陽性細胞を電顕下に同定するために抗GFP抗体およびVIP法にて試料作製し観察した。 GFP陽性細胞は1 神経組織では、特に嗅球背尾側部および頭頂葉回状帯付近に長い樹状突起をもつ細胞集団としてミクログリア様細胞が観察された。髄膜では複数の太い突起をもった細胞が多数みられた。2 眼球壁3層には特有の形の細胞が分布していた。特に網膜内層には樹状の突起をもつ細胞が点在していた。3 骨格筋では衛星細胞と思われる細胞が筋線維辺縁に密着していた。また筋線維間および腱では紡錘形の細胞が観察された。4 消化管および付属腺では腺房を包むように伸張する紡錘形細胞が頻繁に観察された。GFP陽性のICCと思われる細胞は観察されなかった。5 皮膚真皮では多数の様々に翻る扁平なシート状の細胞が単独あるいは集塊をなして分布しており、特に毛包周辺では上皮に密着する紡錘形の細胞が多くみられた。表皮内にはランゲルハンス細胞と思われる細胞が多数存在した。F4/80、CD11b、CD11cとの二重染色では各臓器において特有の頻度でGFPと共存する細胞群およびそれぞれ単独に陽性の細胞が観察され、異なる細胞への分化あるいは表現型が変化することが示唆された。 これらの結果は2006年3月の日本解剖学会全国学術集会シンポジウムにおいて発表する。また、本研究のきっかけとなったsprouty2遺伝子KO動物の研究論文は2005年Nature Neuroscience. 8(7):855-7に掲載された。
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Research Products
(5 results)