2004 Fiscal Year Annual Research Report
スキッドマウス皮膚再構築モデルを用いた皮溝・皮丘形成メカニズムの探求
Project/Area Number |
16659488
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
貴志 和生 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40224919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 英雄 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (50129558)
大城 貴史 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80306753)
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Keywords | 胎仔 / 創傷治癒 / scarless / 免疫不全マウス / 混合移植 |
Research Abstract |
皮溝、皮丘の構造がどのように出来るかを調べるため、免疫不全マウスC.B-17/Icr-scidJcl、オス8週から12週の背部に直径8mmの皮膚全層欠損層を作成し、ここにC57bl/6Jマウスの胎生17日の胎仔のそれぞれ表皮と真皮をディスパーゼで分離し、トリプシン処理でそれぞれ細胞を浮遊させた後、1x10^7個ずつ背部皮膚全層欠損層に表皮細胞と真皮細胞を混合移植し、テフロンキャップで被服した。コントロールとしては胎仔の表皮細胞と筋膜細胞を混合移植したものを用いた。4週後に皮膚表面をダーマスコープで観察するとともに、組織像で皮膚の再生の有無を観察した。移植後、連日で組織を採取し、正常の皮膚発生との相違を形態的に、またインボルクリン、ケラチンなど様々な表皮角化マーカーで正常皮膚発生との差異を観察した。その結果正常皮膚の発生と比較して、胎仔表皮細胞と真皮細胞を組み合わせたものでは皮膚は再生されたが、毛包形成期のplacodeが形成されず、表皮の肥厚は見られなかった。このように、正常皮膚発生と混合移植では形態形成に差異があったが、胎仔表皮、真皮細胞を組み合わせて移植した群では真皮構造、皮溝、皮丘が移植後14日で正常皮膚と比較して、同様の構造が出来ていた。また、皮膚弾性繊維も正常皮膚と同様に形成されていた。しかし筋膜細胞と表皮細胞を混合移植したものでは毛根、皮溝、皮丘、真皮の構造、弾性繊維の形成ともに正常皮膚とは異なり、瘢痕様の組織になった。
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Research Products
(2 results)