2006 Fiscal Year Annual Research Report
ラット肺微少循環機能のリアルタイム計測技術の開発と応用
Project/Area Number |
16659492
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
嶋津 岳士 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50196474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 裕 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90252676)
杉本 壽 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90127241)
鍬方 安行 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50273678)
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70301265)
精山 明敏 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70206605)
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Keywords | 脂肪塞栓 / 肺微小循環 / 生体顕微鏡 / 蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
3年目は2年目に作成した脂肪塞栓モデルを用いた薬剤投与による効果を調べることであった。1年目・2年目には灌流肺脂肪塞栓モデルと生体顕微鏡による肺観察モデルを応用して、生体顕微鏡下でラット肺脂肪塞栓モデルを作成したが、データ収集を開始したところ、血圧が安定せず輸液量、トリオレイン投与量いずれも調整を要する事が判明した。 (1)トリオレイン投与法の確立 初年度は0.5ml/kg、2年目は0.7ml/kgのトリオレインをヨード造影剤と混和してミセル化したものを投与したモデルを用いた。しかし、造影剤は浸透圧が高く非生理的であるという指摘があり、ある程度粘稠度がありミセル化後のトリオレインが安定する時間を作る必要性があるため、3年目は低分子デキストランをもちいてミセル化した。2年目に引き続き、頚動脈カニュレーションによる観血的動脈圧測定、経静脈カニュレーションによる中心静脈圧測定を行い、肺脂肪塞栓に特徴的な、脂肪投与後の一過性の血圧低下、中心静脈圧上昇が現れる事を確認した。 (2)肺脂肪塞栓発生の確認 肺脂肪塞栓に伴う呼吸状態の悪化を観察できる設備が使用可能となったため、生体顕微鏡で肺組織の酸素飽和度を測定する予備実験を開始した。循環動態の評価と同時に観察する事ができない為、期間中に検証可能な測定系の確立には至らなかった。 (3)測定項目について 呼吸状態の変化や、ローダミンで発色させた白血球の蛍光顕微鏡での観察、レーザードップラーを用いた肺局所血流の評価を行っているが、実験モデルの確立に難渋した為、研究期間終了時点で検証可能な数の実験ができなかった。 以上のように、実験系の確立に難渋し、発表可能な成果を得ていない。
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