2004 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量可溶性CD14サブタイプによる感染症迅速診断法の開発
Project/Area Number |
16659494
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
遠藤 重厚 岩手医科大学, 医学部, 教授 (30160394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 信博 岩手医科大学, 医学部, 講師 (10244914)
八重樫 泰法 岩手医科大学, 医学部, 助手 (00347874)
真弓 俊彦 名古屋大学, 医学部, 講師 (90281071)
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Keywords | sCD14 / sepsis / プロカルチトニン |
Research Abstract |
リポポリサッカライド(LPS)に高い親和性を持つ受容体であるCD14は、単球やマクロファージの細胞表面に発現されている糖タンパクである。著者らは、従来知られていなかった敗血症患者で上昇する新規のCD14を同定し、可溶型CD14サブタイプ(sCD14-ST)と命名した。血漿中のsCD14-ST濃度を測定するため、抗CD14-ST抗体を作製し、酵素免疫測定法(EIA)を確立した。この測定系を用いて、正常人、全身性炎症反応症候群(SIRS)患者、敗血症患者の血漿中のsCD14-STレベルを比較したところ、敗血症患者血中sCD14-STは正常人及びSIRS患者に比較して有意に高値であった。また、敗血症の診断マーカーとしてsCD14-STを用いた場合、ROC曲線下面積は0.817であり、血中で上昇するsCD14-STが他のマーカーに比較して敗血症の診断マーカーとしてより優れていることが示された。sCD14-STはまたプロカルシトニン(PCT)、敗血症に関連する組織傷害アセスメントスコアであるSOFAスコアと相関し、さらに、sCD14-ST濃度の変動は敗血症の重傷度と相関した。以上まとめると、これらの結果よりsCD14-STは敗血症の早期診断及び本疾患の重症度のモニタリングに有用であることが示唆された。
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