2004 Fiscal Year Annual Research Report
バイオフィルムにおける歯周病細菌病原因子発現様態のゲノム-プロテオミクス解析
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16659499
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
苔口 進 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10144776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 一博 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70034171)
井上 哲圭 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20223258)
高柴 正悟 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50226768)
西村 英紀 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80208222)
前田 博史 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00274001)
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Keywords | バイオフィルム / Actinobacillus actinomycetemcomitans / サブトラクティブハイブリダイゼーション法 / Mip様遺伝子 |
Research Abstract |
歯周病は現在、慢性、難治性の口腔バイオフィルム感染症として捉えられている。どのような機序でバイオフィルムを形成し、生体防御系や抗菌薬などに対する抵抗性を獲得し、限られた栄養と空間の中で歯周病細菌がその病原性を発揮するのかはこれまでの古典的な感染症研究手法では未だに解明できていない。歯周病細菌Actinobacillus actinomycetemcomitans歯周ポケット病巣から分離した直後はガラス壁に強固に付着して継代培養していくと浮遊細胞となって増殖する特性を有する。 そこでこの特性を利用してA.actinomycetemcomitansについてバイオフィルム形成に関わる病原因子発現様態を浮遊培養菌体とバイオフィルム形成菌体のmRNA発現パターンの異なる遺伝子をサブトラクティブハイブリダイゼーション法を使って単離した。その結果、レジオネラ菌での細胞内侵入、また菌の細胞内での菌の生存関わるmacrophage infectivity potentiator(Mip)に類似した蛋白遺伝子、外膜蛋白遺伝子またHaemophilus influenzaeの細胞付着と侵入に関わる高分子線毛蛋白遺伝子をガラス壁に強固に付着してバイオフィルムを形成するAaでは特異的に発現していることを見出した。AaのMip様遺伝子欠損株を作成し、その欠損株ではHL60細胞侵入と細胞内生存率は著しく低下していた。また、AaでもH.influenzae同様に高分子線毛蛋白遺伝子の構造遺伝子多型性とその発現様態について血清型の異なる菌株では違いが認められた。Aaのバイオフィルム形成機構の解析をさらに進めている。
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Research Products
(3 results)