2004 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞機能のサーカディアンリズム発現機構に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
16659507
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
篠田 壽 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80014025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹山 禎章 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00333823)
邵 萍 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90361104)
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Keywords | サーカディアンリズム / 破骨細胞 / 液性因子 / 骨吸収 / カルシトニン / カルシウム / 血清 / ラット |
Research Abstract |
生体の様々な生理機構にサーカディアンリズムが存在することが報告されている。我々は、ラットを用いた実験的研究から、骨吸収系にもサーカディアンリズムが存在することを見出し、その時間構造を確定している。骨吸収系を含め末梢に発現する様々なサーカディアンリズムの発現には、リズムの中枢機構(視床下部視交叉上核)から発信され末梢を支配する未知の周期的なシグナルの存在が仮定されるが、それが、神経性の機構によるのか、液性の支配によるのかについては依然として不明である。今年度の研究では一日の様々な時間帯に採取したラット血清を、骨髄細胞から破骨細胞を形成させる培養系に添加し、形成される破骨細胞の数と骨吸収活性が、どの時間帯に採取した血清を添加するかによって大きく異なることを見出した。すなわち、何らかの血清中液性因子の周期的変動が、破置骨細胞の分化と機能のサーカディアンリズム発現に重要な役割を果たしていることを明らかにした。また、破骨細胞の分化と活性に及ぼす液性因子の中に、少なくともカルシトニンが含まれること、また、血清カルシウムやリンの周期的変動も破骨細胞の分化と活性のサーカディアンリズム発現に何らかの役割を果している可能性について指摘し、さらにカルシトニンは、骨系細胞における時計遺伝子の発現に大きな影響を及ぼすことを明らかにした。
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