2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝におけるコネキシンを介した細胞間情報伝達機構の解明
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16659509
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中浜 健一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60281515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 育男 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60100129)
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Keywords | 骨芽細胞 / 骨細胞 / 破骨細胞 / PGE2 / sRANKL / VD3 |
Research Abstract |
平成16年度の計画は骨芽細胞と骨細胞間にギャップジャンクションを形成させ、その機能を確かめることであった。そこで、CellTracker Orange CMRAで細胞質を蛍光ラベルした骨細胞にCalcein-AMを取り込ませた骨芽細胞を重層した。30分後に骨芽細胞から骨細胞へのCalceinの伝播を確認し、この伝播はギャップジャンクションの阻害剤であるGA(18 alpha-glycyrrhetinic acid)で抑制された。この結果から、骨細胞と骨芽細胞の間には機能的なギャプジャンクションが形成可能であると判断した。次に、骨細胞を0.45uMの穴のあいたPET膜を隔てて下側に、骨芽細胞を上側に播種し、骨細胞と骨芽細胞をPET膜の両面に培養した。この培養系の上層にマウスの脾臓より単離した単核球を加え、PET膜の下層に骨細胞を培養しない場合と比較した。骨芽細胞の単独培養では無刺激でもTRAP(酒石酸耐性アルカリフォスファターゼ)陽性の破骨細胞様細胞の出現を確認し、さらに、PGE2(prostaglandin E2),活性化ビタミンD3、sRANKL(soluble RANKL)刺激によりTRAP陽性の破骨細胞様細胞の出現及び破骨細胞に特徴的な多核の細胞の出現を確認した。これらの破骨細胞形成は、刺激剤が活性化ビタミンD3の場合を除いては骨細胞との共培養系で著しく阻害された。このことから、骨細胞には破骨細胞形成を強力に抑制する作用があることがわかった。従来の報告では骨細胞の死が認められる骨の局所的な破骨細胞分化が報告されており、このメカニズムの1つとして骨細胞による破骨細胞形成抑制があると考えられた。非常に面白いことに、我々が用いた骨細胞は単独では破骨細胞分化を促進するという報告があり、そのメカニズムについてはさらなる検討が必要であると考えられた。
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