2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝におけるコネキシンを介した細胞間情報伝達機構の解明
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16659509
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中浜 健一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60281515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 育男 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60100129)
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Keywords | 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 骨細胞 / ギャップ結合 |
Research Abstract |
本研究では骨細胞の死が破骨細胞分化の引き金となるメカニズムを解明し、さらに病的骨代謝の解明やその治療薬の開発に応用することを目的とした。 骨芽細胞が骨細胞とコネキシンを介したギャップ結合によりその破骨細胞分化支持能が抑制されており、骨芽細胞は骨細胞とのギャップ結合を失うことにより破骨細胞分化支持能を発揮するのではないかという仮説を立てた。我々の研究室でマウス骨髄より樹立したTMS-14株は無刺激で破骨細胞支持能も持つストローマ細胞である。TMS-14をトランスウェルの上側、骨細胞株であるMLO-Y4をトランスウェルの下側というように膜を隔てて両面で培養することに成功した。このとき、TMS-14の破骨細胞支持能を調べてみるとその能力は明らかに低下した。また、その際にTMS-14で骨のリモデリングに関わる遺伝子の動きを調べたところ、MLO-Y4との共培養により、破骨細胞分化抑制因子であるOPGの著名な増加が認められ破骨細胞形成因子であるRANKLとの相対比(OPG/RANKL)も増加した。現在そのメカニズムについて検討中である。また、破骨細胞前駆細胞はどこで分化するのであろうか?我々はTMS-14と赤色蛍光でラベルしたマウス脾臓由来単核球を共培養した。1日後両細胞をカルセイン(緑色蛍光)でラベルし、単核球の局在を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。驚いたことに、単核球はTMS-14の細胞間を基底面に移動するだけではなく、TMS-14の中を通って基底面に移動する様子が観察された。また、この共培養系では破骨細胞はTMS-14の下でできることがわかっているので、単核球同士の細胞融合は単核球がTMS-14の基底面に潜り込んだ後おこるものと推定された。現在、この潜り込みと破骨細胞分化支持能の関係を解明し、この過程に骨細胞とのギャップ結合がどのように関与するのかについても現在精力的に実験を行っている。
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