2004 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺における炎症性サイトカインの誘導と口腔の防御システム:再生医療への試み
Project/Area Number |
16659513
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
細井 和雄 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10049413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 憲雄 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (90064865)
赤松 徹也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (80294700)
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Keywords | 唾液腺 / 幹細胞特異抗原 / TLR4 / 炎症性サイトカイン / IL-1β |
Research Abstract |
近年、Toll-like receptors(TLRs)は自然免疫に関与する受容体であることが明らかになった。TLRsは種々の病原体を認識し、細胞傷害や感染に応答して細胞内のNF-κBなどの関与するシグナル伝達系を駆動することが知られている。ファミリーの一員であるTLR4はlipopolysacharide(LPS)の受容体で、LPSはこの受容体を介してしてIL-1β、IL-6、TNF-αなどの炎症性サイトカインを誘導する。本研究ではTLR4の変異体、C3H/HeJマウスとその野生型であるC3H/HeNを用いて、LPSがTLR4を介して唾液腺(顎下腺)の炎症性サイトカイン、特にIL-1βを誘導することを見い出した。顎下腺にはTLR4受容体が発現しており、この誘導はLPSが唾液腺組織へ直接作用して行われる事を明らかにした。また、顎下腺において誘導されたIL-1βは口腔へ分泌され、口腔唾液中のIL-1βの由来は耳下腺ではなく、主として顎下腺であった。 上記、炎症性サイトカインの口腔における機能は重要であると考えられるが、唾液の水成分も口腔内の浄化に重要である。頭頚部腫瘍の放射線治療によって唾液線機能が障害されると齲食が多発する。そこで本研究ではマウスに放射線照射を行い、傷害を起こさせた後、幹細胞を移植し傷害の回復を試みる。現在、唾液線導管結紮、副交感神経切除、幹細胞因子・イソプロテレノール投与などを行い、唾液線幹細胞が増加する条件を検索中である。また、放射線照射により幹細胞マーカーであるSca-1結合蛋白質(幹細胞因子受容体)が増加することを見い出している。この生理的意義は明らかでなく、あわせて17年度の検討課題とする予定である。
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Research Products
(8 results)