2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659514
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 健二 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (40091326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筑波 隆幸 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (30264055)
筑波 知子 (門脇 知子) 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (70336080)
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Keywords | アスパラギン酸プロテアーゼ / エンドソーム・リソソーム系 / カテプシンD / カテプシンE / ノックアウト / オートファジー / 生体防御 / 蛋白質分解 |
Research Abstract |
生体防御機構とは個体が侵入してきた外来異物を排除し、腫瘍細胞や不要自己成分を処理してその独立性・恒常性を維持する仕組みである。本研究は、生体防御系の破綻に基づく難治性疾患(悪性腫瘍、免疫アレルギー疾患、歯周病)の発症に対して、原因となる蛋白質分解機構を同定し、生体防御系におけるそれらの役割を解明し、その制御を目的とした治療戦略の確立と創薬基盤の構築を図ることを目的としている。カテプシンEは抗原提示細胞やリンパ球、消化管上皮細胞等の免疫担当細胞に限局して存在していることから、生体防御系への関与が指摘されてきたが具体的な根拠は示されていない。そこで、本年度は、カテプシンEの生体防御系における役割を解明する目的で、カテプシンEノックアウトマウス(CatE-/-)を作製し、自然免疫系や獲得免疫系における影響を検討した。野生型およびCatE-/-マウスにグラム陰性菌のジンジバリス菌およびグラム陽性菌の黄色ブドウ球菌を投与したところ、いずれの場合も野生型マウスが8割以上生存する条件下でCatE-/-マウスはほとんどが死亡した。このときの血中のCFU(colony forming unit)ならびに脾細胞でのIL-10やIFN-γの産生量はCatE-/-マウスで明らかな低値を示した。また、CatE-/-マウス由来のマクロファージは、野生型マウス由来のマクロファージに比べて蛋白質分解能や殺菌能が低下しており、感染による細胞生存率も著明に低下していた。これらの結果から、カテプシンEが自然免疫ならびに獲得免疫の両システムにおいて重要な役割を果たしていることが示唆された。
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