2004 Fiscal Year Annual Research Report
二本鎖RNAを導入したC.elegansの渦巻き反射と重力ストレス-痛み受容相関
Project/Area Number |
16659515
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
戸田 一雄 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80134708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 朗 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00142430)
岡田 幸雄 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (60136687)
粂井 康宏 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (30161714)
藤山 理恵 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10274664)
ゼレド ジョージ 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10363459)
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Keywords | 侵害刺激 / 重力 / ストレス / RNA / 渦巻き反射 / C.elegans |
Research Abstract |
痛みは、警告信号系として、生体の生存に必須な自己防衛機能である。痛みの起源は環形動物・線形動物や原索動物などにみられる渦巻き反射に始まる。この反射は逃避反射の典型的な例であり高等動物になると渦巻き反射は、引っ込め反射や尾振反射へと進化する。他方、RNAiの効果はC.elegans全身に広がり、C.elegans個体レベルでの表現型を観察することができる。またC.elegansは全ゲノム配列が明らかにされており、地球型生命の進化過程で、自己防衛機能の獲得のプロセスについて体系的ゲノム機能解析が可能となる。 そこで本研究では一定時間におけるC.elegansの活動を、レンズ付き小型自動画像解析装置(現有)により記録する。機械刺激としてフォンフライ毛、また化学刺激としてBKを使用し、その刺激に対する渦巻き反射の閾値を求めることにした。C.elegansで見られる渦巻き反射閾値を数値化し、コンピュータにより解析する。水侵により重力を免荷させた場合、および小型動物用遠心機(現有)により2G〜4Gの高重力にそれぞれ5〜30分間曝露させた場合の痛みの閾値の変化を記録し、1G対照と比較解析する。最終的にはC.elegansの渦巻き反射閾値の上昇を最大にさせる重力負荷の大きさを決定し、その重力を負荷させた状態で飼育したC.elegansよりDNAおよびRNAを抽出し、精製する。常法により、重力変化に応答して大きく変化する遺伝子を選別する。 本年度は基礎となる渦巻き反射の特性を知るために、機械刺激、高張液刺激および低張液刺激による渦巻き応答について検討した。機械刺激より、張力刺激のほうが渦巻き反射を誘発しやすいことがあきらかになった。次年度は低張力刺激を用いて渦巻き反射を誘発させ研究を進展させる。
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