2004 Fiscal Year Annual Research Report
炎症をひきおこすヒドロキシラジカルの発生をグルタミン酸が誘導するシステムの解明
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16659526
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
辻本 恭久 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80163806)
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Keywords | グルタミン酸 / ヒドロキシラジカル / 活性酸素 / 炎症 / 次亜塩素酸 / 過酸化水素 |
Research Abstract |
生体内で発生するヒドロキシラジカル(・OH)については,スーパーオキサイド(O_2^-)と過酸化水素水(H_2O_2)との反応(Haber-Weiss反応),メタルイオンとH_2O_2との反応(Fenton反応)が知られているが,生体内のグルタミン酸が関与した・OHの発生についてはその発生システムについて未だに解明されていない.この反応を解明するために,グルタミン酸をはじめ各種アミノ酸を次亜塩素酸(HClO)および過酸化水素水(H_2O_2)と反応させ,磁気共鳴装置(ESR)でフリーラジカル,活性酸素の発生ならびに消去の可能性について検索を行った. 本年度は基礎データを検討するために,発生したフリーラジカル,活性酸素を捕らえるために利用されているスピントラップ剤の代表的な5,5-dimethyl-1-pyrrolinr-N-oxide (DMPO)を使用して,各種アミノ酸とHClOとの反応で生じる現象を検索した.その結果,HClOの濃度によって従来から言われているDMPO-Xの発生と・OH様シグナルの発生を捉えることができた.ただし,これらの反応は偽ラジカルを測定している可能性があるため,フリーの・OH消去剤である,エタノールやジメチルスルフォン酸を反応させ・OHを消去した証拠として発生するカーボンセンターラジカルの確認をしなければならない.今回は濃度設定の検索においてカーボンセンターラジカルの確認を行ったが,完全に立証できるデータがそろわず,追加実験を行っている最中である.また,H_2O_2から発生する・OHが各種アミノ酸を添加することで,その発生量等に影響があるか否かについて検討を行ったところ,アミノ酸の種類によっては,・OHを消去してしまうもの,影響を与えないものなど一定ではないことが判明した.
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Research Products
(1 results)