2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659528
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
向山 仁 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (00242214)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 泰彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90280990)
堀内 三吉 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (60014081)
谷口 尚 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90171850)
|
Keywords | MPC polymer / Candida albicans / denture material / PMMA |
Research Abstract |
デンチャープラークは単に飲食物由来の汚れでなく、細菌の集塊である。Candida albicans (C. albicans)はデンチャープラーク中とヒトの口腔内常在細菌に認められる真菌で、義歯レジン床に用いられるPMMA樹脂(poly(methyl methacrylate))に強い付着性を持ち蓄積される。今回の研究の目的はMPC共重合体(PMB)を使い義歯表面のプラークの付着を妨げる新しく簡単な方法の開発である。方法PMBはMPC polymerとn-butyl methacrylate (BMA)で合成した。そして非水溶性である30mol% MPC unit (PMB30)と水溶性である80mol% MPC unit (PMB80)とpoly(methyl methacrylate) (PMMA)ディスクを用意した。それぞれのPMMAディスクを0.5wt% PMB30溶液もしくは0.5wt% PMB80溶液にディップコートした。それぞれのPMBでコートされたPMMAディスクはコートの持続性を検討するために蒸留水中に浸漬させた。PMBの溶出の割合はモリブデンブルー法によって計測した。もうひとつの検討として、PMBコート上でのC. albicansの付着効果を観察するためにPMBでコートされたPMMAディスクとコートされていないPMMAディスクをC. albicans溶液中に浸漬させ48時間培養した。それぞれのグループにおけるPMMAディスクの半数は洗浄を行わず、残りの半数は洗浄の効果を検討するために蒸留水で洗浄した。全てのPMMAディスクは光学顕微鏡で観察し写真撮影を行った。それらの画像は解析ソフトを用いてC. albicansの付着面積を計算した。結果 溶出試験では48時間後においてPMB30は約14%、PMB80は約12%蒸留水中に溶出した。PMB30あるいはPMB80でコートされたPMMAディスク上ではC. albicansの付着は洗浄を行わなかったグループ、洗浄を行ったグループともにコートを行わなかったPMMAディスクに比べ減少していた。結論 これらのことからPMBはPMMA上でC. albicansの付着を抑制するコート材として用いられることが示唆できた。
|