2004 Fiscal Year Annual Research Report
3Dプリンティング迅速成形法による組織再生・欠損補填用材料の創製
Project/Area Number |
16659531
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荘村 泰治 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (10154692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺岡 文雄 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (00099805)
高橋 純造 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80029149)
中村 隆志 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20198211)
矢谷 博文 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80174530)
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Keywords | バイオセラミックス / 迅速成型法 / 再生医療 / 足場材料 |
Research Abstract |
骨欠損部補填物や骨再生用足場材料としてバイオセラミックが応用されているが,任意の形状の欠損部補填物や足場材料にバイオセラミックスを成型することは容易ではないが,より効率的な自由形状の造型法として3D Printingに代表されるRP法は極めて有望である.しかし,市販の3D Printing装置は石こうを材料としておりバイオセラミックの代表であるアパタイト(HAp)の造型は行えない.しかし,石こうは骨欠損部充填材料として用いられ、リン酸アンモニウム処理でHApに転化することも可能である.そこで,市販の3D Printing装置(Z403,ZCorp)を用い,石こうにHApを10〜30%混合した粉末による造型と,熱処理による圧縮強さの改善を試みた.その結果,HApを30%まで添加しても,円柱状の試料を成型することができた.しかし,HApの増加に従い,成型体エッジ部の形状は鈍化した.加熱によって試料は大きな体積収縮を示し,1150℃では収縮率は70%程度となった.3D Printing法による成型体が多孔質であるため大きな収縮を示したと考えられる.成型体のX線回折による結晶構造解析ではHApの増加に伴い,CaSO_4・2H_2Oのピークに加えHApのピークが増加し,1150℃に加熱した試料では,CaSO_4無水塩のピークとHApのピークが見られた.成型体の圧縮強さは造型した状態ではHApの増加とともに低下した.これはバインダーとなる石こうの減少によると考えられる.800℃に加熱すると試料の圧縮強さは極端に低下した.石こうのCaSO_4無水塩への変化とともに結合力が低下したと思われる.1000℃〜1150℃に加熱すると圧縮強さの増加が見られ,HApの濃度10%が最も高かった.これは粉体同士の焼結が始まったこと,およびHApが多すぎると造型時の結合強さが低くなるためと考えられる.これらから10〜20%程度のHApの添加が強さの増加に有効であると考えられた.
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