2004 Fiscal Year Annual Research Report
チタン表面への生体分子および細胞接着挙動のナノレベル・2次元・リアルタイム測定
Project/Area Number |
16659533
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉田 靖弘 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90281162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 一臣 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30050058)
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00225195)
平田 伊佐雄 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (40346507)
田川 陽一 信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70262079)
長岡 紀幸 岡山大学, 歯学部, 教務員 (70304326)
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Keywords | インプラント / チタン / 表面プラズモン解析装置 / SPR / 2次元 / イメージング / 生体分子 / リアルタイム |
Research Abstract |
チタンはインプラント材料として多用されているものの,それ自体は組織再生能を有しておらず,治療期間の短縮ならびに適応範囲の拡大を目指し,さらなる改良が望まれている。骨誘導能を有する機能性インプラントを開発するにはチタン表面を分子生物学的に改質しなければならないが,そのためにはチタン表層での生体分子相互作用をナノレベルで解明する必要がある。そこで本研究では,チタン表面における生体分子の結合・解離特性ならびに細胞接着特性について,その2次元像をナノレベルかつリアルタイムで検出できる分析手法を開発することを目的として,2次元イメージング表面プラズモン解析装置(SPR)に適したイメージングSPR用チタンセンサーを作製することを目指した。実験を開始するにあたって,チタンの薄膜を蒸着することにより,SPRセンサーとしての機能を発揮するかを検討するとともにセンサーとしての感度を上げるために最適な膜厚を決定する必要がある。そこでまず,ガラスプレート(材質:S-LAL10,屈折率:1.71,15φx1t)に,クロムを1nm,金を49nmの厚さに蒸着し,続いてチタンを5,10,20nmの厚さに蒸着したものを作製し,SPR用センサーとして機能するか,さらに,十分な感度を有するかを検討した。その結果,チタン膜厚5nmで優れた感度を得られることが示唆された。これらの知見をもとに現在は2次元イメージングの装置を作製中である。 本研究はチタン表面におけるタンパク質など生体分子や細胞の挙動について,ナノレベルかつリアルタイムで2次元像を検出できる分析手法の開発を目指す極めて独創的な研究であり,本研究の成果が上がればチタン表面改質でしのぎを削っているこの研究分野で新たな技術革新となりうる。
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