2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659540
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
升谷 滋行 日本大学, 歯学部, 助教授 (40157201)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠茂 幸嗣 日本大学, 歯学部, 講師 (20120404)
片山 一郎 日本大学, 歯学部, 講師 (70130466)
西山 實 日本大学, 歯学部, 教授 (40059704)
鈴木 薫 日本大学, 理工学部, 助教授 (80139097)
|
Keywords | 可視光応答型酸化チタン / アナターゼ型酸化チタン / レーザアブレーション法 / 酸化チタン成膜 / 可視光吸収型 / 窒化 |
Research Abstract |
アナターゼ型酸化チタンは太陽光や通常の室内での照明からの紫外線(波長400nm以下)を利用した半導体光触媒反応(光化学反応)によって、強力な酸化分解作用を引き起こし、抗菌・脱臭・環境浄化などを示すが、太陽光等には紫外線成分が少ないため利用効率が悪く利用範囲も限られ、普及が妨げられていた。この欠点を改良するために、室内の人工光源中の青色・緑色等の可視光範囲の波長にも反応する「可視光応答型酸化チタン」の開発を試みた。酸化チタン薄膜の作成方法としてはレーザアブレーション法を用いた。レーザアブレーション法は酸化チタンの粉末を圧縮成型したバルクをターゲットとし、レーザを照射することにより爆発的なアブレーションプルムと呼ばれる原子やイオンの粒子群が高温で噴出し、対向して設置された基板に打ち込まれるもので、義歯部分のセラミックのほかに義床部分の高分子にも成膜が可能である利点を有している。この方法によって酸化チタンを成膜したところ、本来のバルクではチタンと酸素の比が112であるところが、成膜後にはAtomic%(Ti:O)=64:36と酸素が欠損する結果を得た。またこのとき、光触媒の指標を示す光学バンドギャップEg=2.2eVと、バルクのEg=3.2eVよりも著しく低下した。そこでアブレーション時の雰囲気を酸素ガス中とした結果、Atomic%(Ti:O)=39:61とEg=3.0eVという、ほぼ理想的な物性値が得られた。しかし、この膜の光吸収特性は330nm以下に吸収端を持つ、紫外線吸収型であった。そこで、アブレーション時の雰囲気ガスを窒素とし、周波数13.56MHzの高周波誘導結合型放電によってプラズマ化し、酸化チタンを窒化した。その結果、放電電力200Wにおいて光吸収特性は450nmに吸収端を有し、可視光吸収型の酸化チタンを成膜する事に成功した。
|
Research Products
(3 results)