2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞の特異的形質に基づくヒト骨髄細胞の効果的増殖・骨誘導技術開発
Project/Area Number |
16659545
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大橋 克己 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60233235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
引地 尚子 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50292876)
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
松崎 雅子 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80313154)
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Keywords | 骨芽細胞 / 特異的形質 / 増殖 / 骨誘導 |
Research Abstract |
われわれは、正常マウス頭蓋冠由来骨芽細胞株を用いて細胞増殖性に起因する細胞反応活性の変化を、刺激因子に対する細胞内Ca^<2+>濃度変化を指標として検討した。その結果、驚くことに骨芽細胞は細胞密度が低い時(細胞増殖期)に旺盛な反応活性を示して細胞内小器官・細胞内情報伝達系が発達し、細胞密度の上昇(増殖性低下期)でこれらが減退した後でも、細胞間接着(gap-junction)形成を阻害することで、反応活性が回復可能であることを示した。これは他の細胞種とは相反する、骨芽細胞に特異的な形質である。効果的な骨誘導の達成には、細胞の問題として、数的(増殖性・分化能)問題と機能(反応活性)的問題に大別される。われわれが指摘する骨芽細胞の特異的形質とは、増殖能と反応活性は共存するというものである。即ち、細胞密度が低い状態で増殖を継続することで、数的増加を保持しながら旺盛な細胞機能を発揮させることが可能となるものである。一時的な数的増加を狙い、細胞密度をあげることは増殖能を低下させるだけでなく、反応活性をも低下させる結果となり、骨誘導効率の低下につながる。ここに従来の骨再生研究の限界があるものと考え、この新しい知見が、効果的増殖・骨誘導技術開発への突破口になるものと考えた。 われわれはまた新たに、これら骨芽細胞は細胞密度ばかりでなくそれらを取り巻く環境(培養液組成など)に対しても特異的な反応を示すことを見出した。これらは骨芽細胞の増殖コントロールに重要な所見である。
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