2004 Fiscal Year Annual Research Report
歯の再生過程からの幹細胞の分離、同定およびその幹細胞による歯の再生
Project/Area Number |
16659548
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 雅規 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員 (70361623)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝比奈 泉 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員(客員助教授) (30221039)
渡辺 すみ子 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60240735)
|
Keywords | 歯の再生 / マウス / 臼歯歯胚 / BrdU / 足場 |
Research Abstract |
本年度はマウス歯胚を用いた歯の再生実験モデルを確立した。 われわれはブタ歯胚細胞を利用した歯の再生に成功しているが、マウス歯胚細胞の歯の再生の確立は、細胞から歯胚組織が再生されるまでに長期間を要しないこと、遺伝子や細胞表面マーカーなどの情報源が多いなどの利点がある。 マウスE12およびE14マウスから第一大臼歯歯胚を取り出し、酵素処理にて細胞を単離した。細胞の足場にはポリグリコール酸で作られたメッシュを使用した。歯の再生実験はこの細胞の足場に細胞を播種して、マウスの腎被膜下に移植して行った。移植4週後に細胞の足場を取り出すと、硬い組織が確認できた。この組織を組織学的に評価すると、エナメル質および象牙質が観察できた。この再生した組織をエナメル質に特異的に発現するアメロジェニン抗体と象牙質に発現するボーンシアロプロテイン抗体にて、免疫組織学にて評価すると、それぞれの組織で発現を確認した。これらの結果から、マウスの胎児臼歯歯胚を用いた場合においても、歯の再生が可能であることがわかった。 さらに、細胞の足場を取り出す前にbromodeoxyuridine(BrdU)を移植されたマウスの腹腔内に投与し、細胞の増殖動態を観察した。移植7日目に取り出した足場内に再生した歯胚組織中に免疫組織化学染色にてBrdUに陽性の細胞が細胞の核に観察された。この結果から、移植した細胞が増殖能を持っていることが確認できた。 これらの上記結果から、マウス歯胚を用いた歯の再生実験モデルが確立できたことが示唆された。今後、この臼歯歯胚中の幹細胞の存在について解析する。
|