2004 Fiscal Year Annual Research Report
微細コラーゲンファイバーと培養骨膜細胞による下顎骨再生に関する研究
Project/Area Number |
16659549
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上田 実 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00151803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 裕和 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70362241)
岡田 邦彦 名古屋大学, 医学部, 助手 (20345911)
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Keywords | 再生医療 / 骨膜 / コラーゲンファイバー / 下顎骨再生 / PLA |
Research Abstract |
本研究の目的は微細コラーゲンファイバーと培養骨膜細胞を用いて、イヌ下顎骨体部に作製した骨欠損の再生を試みることである。本年度は始めに骨膜由来細胞の評価を行った。培養骨膜はイヌ下顎骨の正常骨膜組織より培養、作成した。約4週から6週の培養期間を要した。培養骨膜細胞が放出する骨形成に関する活性(ALP活性など)を確認し移植時期を検討した。その結果培養後約4週で高い骨形成能を備えることが判明し、この時期に移植に用いることとした。次にコラーゲンファイバーの付型の検討を行った。コラーゲンファイバーにポリ乳酸PLA溶液を添加しコーティングを行うことによりコラーゲンの形態および機械的強度の調整を行った。培養骨膜との組み合わせによる骨再生における有用性を検討するためコラーゲンファイバーと骨膜由来細胞の接着性について電子顕微鏡等により評価した。また数種類のスキャフォールドを作成しヌードマウス背部皮下へ移植し骨形成の比較を行った。その結果コラーゲンの繊維を細く、PLA濃度を下げたものが最適であったが、強度との兼ね合いからある程度の硬さを維持できるものを今後の移植実験に用いることとした。来年度からのイヌへの移植実験の予備実験として、イヌ下顎骨に約25mm幅の区域欠損を作成し、創外固定装置にて固定し6ヶ月間の治癒経過を観察したが、欠損部はやや狭くなり断端の骨よりの治癒も観察されたが、欠損は残存し欠損モデルとして使用可能であることが示された。このとき周囲骨膜組織は可及的に切除した。今後この欠損部に細胞とスキャフォールドを移植し骨欠損の再生を試みる予定である。
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