2004 Fiscal Year Annual Research Report
仮骨延長におけるアルジネート膜のGBR膜としての有用性
Project/Area Number |
16659553
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
上山 吉哉 山口大学, 医学部, 教授 (00168668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真野 隆充 山口大学, 医学部, 講師 (80325125)
石川 邦夫 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (90202952)
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Keywords | 化骨延長術(distraction) / 細胞遮断膜 / GBR膜 / 骨再生 |
Research Abstract |
化骨延長術(distraction)による合併症である後戻りや偽関節,さらには新生骨の形態異常などを防止するためにはdistraction gap内での骨再生期間の短縮や確実な骨形成また元の骨形態への再生を図ることが重要となる.そのためにはgap内への結合組織の侵入を防ぐことが必要である.通常骨欠損部への骨再生のために結合組織の進入を防ぐ目的で細胞遮断膜としてGBR膜が用いられているが,この研究はdistractionにおける合併症の防止にGBR膜が有効かどうかを検討することである.GBR膜としては申請者が考案した吸収性で,直接骨欠損部に形成でき骨との機密性に優れているアルジネート膜を用いた.実験は雄ラット頭頂部にL字型の切開選を設定し頭蓋骨を露出する.冠状縫合上を骨切りし,それに直交するように骨延長装置を装着した.そして骨切りによってできた骨欠損部を1%アルギン酸ナトリウムで充満させその上から3%塩化カルシウムを滴下することにより骨欠損上にアルジネート膜を形成した.対照としては化骨延長装置をつけただけの状態とした.骨延長は化骨延長期装着後7日間の待機期間の後,術後8日目より1日1回0.4mmの骨延長を7日間行い合計2.8mmの骨延長を行った.骨延長終了後は骨延長装置を装着したまま保定した.保定1,4週間後に還流固定を行い術部を採取し,パラフィン切片を作製,H-E染色を行った.その結果1週間後で対照との相違は,distraction gapに結合組織の存在がなかったということである.断端よりの骨新生は両群ともわずかにみとめられるのみであった.4週間後では両群ともdistraction gapに島状の骨新生が認められるが骨新生量に関しては両群に明らかな差は認められなかった.
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