2004 Fiscal Year Annual Research Report
アメロゲニンの持つ歯根吸収抑制作用の臨床応用にむけて
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16659570
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
須田 直人 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90302885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 裕 日本学術振興会, 特別研究員
斉藤 正寛 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (40215562)
大山 紀美栄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90014216)
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70161049)
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Keywords | アメロゲニン / 歯根吸収 / 破歯細胞 / drug delivery system |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の2点である。 (1)odontoclast単離培養系の開発とアメロゲニン添加の影響 odontoclastは同じ吸収系細胞であるosteoclastと異なり、これまでin viroの培養系が報告されていなかった。そこで、我々は吸収期にあるヒト乳歯歯根を用いて酵素処理によって再現性よくodontoclastを単離する系を開発した。 このodontoclastの培養系にアメロゲニンを添加した結果、有意にodontoclast数が減少することが明らかにした。このことは、今後計画しているin vivoにおけるアメロゲニンの歯根吸収抑制作用を検討する上で、大変重要な基礎的知見と言える。 (2)アメロゲニンの吸収系細胞の分化誘導に対するアメロゲニンの影響 硬組織吸収系細胞の形成誘導を評価するin vitroの実験系として、マウス骨髄培養系や脾臓細胞培養系、また我々が開発した萌出中のマウスの歯と歯周組織を用いた培養系(Suda et al.,Bone,2003)が知られている。これらの培養系で形成される吸収系細胞は象牙質上で培養すると吸収窩を形成し、in vivoで歯根吸収を担うodontoclastやcementoclastと良く似た形質を持つことが知られている。そこで、これらの系を用いて硬組織吸収系細胞の誘導に及ぼすアメロゲニンの影響を検討した。その結果、骨髄培養系においてはアメロゲニンによる抑制効果がみられたのに対し、この効果は脾臓細胞培養系ではみられなかった。これら異なった結果の原因として、アメロゲニンが骨髄細胞のreceptor activator of NFκ-B ligandの発現を抑制することが明らかとなった。
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